小学生の頃に、うちの母が「こんな選手になれ」ってDVDを買ってきてくれて
バイタルエリアで敵を翻弄するようなプレーに魅力を感じている仙頭にとって、これまでのサッカー人生で衝撃を受けた選手とは誰なのか。仙頭はふたりの人物を挙げ、いずれも「見ていて面白い選手」「サッカーが楽しくなるようなプレーをする」と、その理由を語る。さらに、今後のプロ選手としての理想像についても語ってくれた。
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プロ入りしてこれまで、対戦してこの選手は巧いなと思ったのは、マリノスのマルコス・ジュニオール選手です。
ボールをもらうポジショニングも本当にいいですし、アイデアも凄い。スルーパスを出すにしても、すごく考えて出しているなというのを感じます。マリノスには僕も10か月だけいましたけど、一緒にやっていて、特にこの選手からは見習うべきところが多いなと感じていました。本当に巧い選手や感覚の合う選手とやると、パスが欲しいタイミングやリズムが自然と合うので、やりやすさもありますよ。
先日のマリノス戦でも彼から決定機が生まれたりするので、試合では要注意のひとりでしたが、やっぱり見ていても面白いし勉強になりますね。
ただ、今季のJリーグ選手名鑑ではアンケートの「衝撃を受けた選手」のところに、オルンガ選手と答えているんですよね(笑)。これはもうJ2時代の2019年最終戦のことがあったので……。あの13対1でやられた試合(柏レイソルが京都サンガF.C.に13対1で勝利)は、ある意味で衝撃を受けたということでそう答えたと思います。あの時のオルンガ選手は本当にインパクトが強かったですからね(1試合でJリーグ新記録の8ゴールをマーク)。
でも小さい頃からの憧れという意味では、やっぱりロベルト・バッジョ。小学生の頃に、うちの母が「こんな選手になれ」ってバッジョのDVDを買ってきてくれたんです。1.5列目と言われるパイオニアみたいな人だと思うんですが、本当にボールタッチもうまいし、どこでも顔を出しますし、後ろから来たボールをトラップでそのままGKまでかわして決めたゴールとか、もう見ててサッカーが楽しくなるようなプレーをするので、そういう意味ではすごい憧れですね。
自分は選手権の決勝でPKを外して負けているんですが、バッジョも(アメリカ・ワールドカップ決勝で)外していたというのは、変な言い方ですが心強かったです。だいぶ救われました(笑)。
これから選手としての目標は、まずはタイトルを獲りたい。ただ、何よりもプロはお客さんが観に来てくれて成り立っているものだと思うので、そういう観に来てくださる方々に、「仙頭選手のプレーを見ていると面白いな」とか「あの人のプレーってお洒落だな」とか、人にある種の感動だったり、愉しみや嬉しさを与えられる選手になりたいです。ファッションでもカッコよく似合っている洋服を着ている人を見かけたら、「あ、この人お洒落だな」とか思うじゃないですか。そんなトキメキみたいなものを提供できる、個性的なオンリーワンな選手になりたいですね。
そのためにも、いつまでも基本技術というのは追求し続けたいですし、そのなかでやっぱりチームを勝たせる、タイトルをもたらすというのも、自分の価値を上げるためには絶対に必要なこと。ボランチであれ、しっかり得点に絡むとか、もうひとつ違いを見せてバイタルエリアで輝ける選手になっていきたいです。やっぱりバイタルエリアをうまく活用できるチームは勝率が上がると思いますから。
――◆――◆――
8月31日時点で、鳥栖は3位と同勝点(47)の5位につけている。クラブ初のACL出場権獲得は、現実的に手の届く場所にある。今季の躍進を大きな成果へと結実させるためにも、仙頭のバイタルエリアでのプレーはますます重要な意味を持ちそうだ。
取材・文●長沼敏行(サッカーダイジェストWeb編集部)
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プロ入りしてこれまで、対戦してこの選手は巧いなと思ったのは、マリノスのマルコス・ジュニオール選手です。
ボールをもらうポジショニングも本当にいいですし、アイデアも凄い。スルーパスを出すにしても、すごく考えて出しているなというのを感じます。マリノスには僕も10か月だけいましたけど、一緒にやっていて、特にこの選手からは見習うべきところが多いなと感じていました。本当に巧い選手や感覚の合う選手とやると、パスが欲しいタイミングやリズムが自然と合うので、やりやすさもありますよ。
先日のマリノス戦でも彼から決定機が生まれたりするので、試合では要注意のひとりでしたが、やっぱり見ていても面白いし勉強になりますね。
ただ、今季のJリーグ選手名鑑ではアンケートの「衝撃を受けた選手」のところに、オルンガ選手と答えているんですよね(笑)。これはもうJ2時代の2019年最終戦のことがあったので……。あの13対1でやられた試合(柏レイソルが京都サンガF.C.に13対1で勝利)は、ある意味で衝撃を受けたということでそう答えたと思います。あの時のオルンガ選手は本当にインパクトが強かったですからね(1試合でJリーグ新記録の8ゴールをマーク)。
でも小さい頃からの憧れという意味では、やっぱりロベルト・バッジョ。小学生の頃に、うちの母が「こんな選手になれ」ってバッジョのDVDを買ってきてくれたんです。1.5列目と言われるパイオニアみたいな人だと思うんですが、本当にボールタッチもうまいし、どこでも顔を出しますし、後ろから来たボールをトラップでそのままGKまでかわして決めたゴールとか、もう見ててサッカーが楽しくなるようなプレーをするので、そういう意味ではすごい憧れですね。
自分は選手権の決勝でPKを外して負けているんですが、バッジョも(アメリカ・ワールドカップ決勝で)外していたというのは、変な言い方ですが心強かったです。だいぶ救われました(笑)。
これから選手としての目標は、まずはタイトルを獲りたい。ただ、何よりもプロはお客さんが観に来てくれて成り立っているものだと思うので、そういう観に来てくださる方々に、「仙頭選手のプレーを見ていると面白いな」とか「あの人のプレーってお洒落だな」とか、人にある種の感動だったり、愉しみや嬉しさを与えられる選手になりたいです。ファッションでもカッコよく似合っている洋服を着ている人を見かけたら、「あ、この人お洒落だな」とか思うじゃないですか。そんなトキメキみたいなものを提供できる、個性的なオンリーワンな選手になりたいですね。
そのためにも、いつまでも基本技術というのは追求し続けたいですし、そのなかでやっぱりチームを勝たせる、タイトルをもたらすというのも、自分の価値を上げるためには絶対に必要なこと。ボランチであれ、しっかり得点に絡むとか、もうひとつ違いを見せてバイタルエリアで輝ける選手になっていきたいです。やっぱりバイタルエリアをうまく活用できるチームは勝率が上がると思いますから。
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8月31日時点で、鳥栖は3位と同勝点(47)の5位につけている。クラブ初のACL出場権獲得は、現実的に手の届く場所にある。今季の躍進を大きな成果へと結実させるためにも、仙頭のバイタルエリアでのプレーはますます重要な意味を持ちそうだ。
取材・文●長沼敏行(サッカーダイジェストWeb編集部)