【浦和】地獄と天国を2往復。証言から紐解く「ソウルショック」の敗因と収穫

カテゴリ:Jリーグ

塚越 始(サッカーダイジェスト)

2016年05月27日

「相手も良いチームだった」と興梠。志が似たライバルができたことは収穫だ。今季、再戦のチャンスは――。

試合後、肩を落とす選手たち。しかし浦和がJリーグ王者になれば、クラブワールドカップでリベンジするチャンスができるかもしれない。写真:徳原隆元

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 ペトロヴィッチ監督は「痛い敗戦だ。サッカーは結果で評価されるスポーツ。勝っていれば、浦和は素晴らしかったと評価されていただろう……」と悔やんだ。浦和がまたも詰めの細部を欠いたのは事実である。
 
 試合後はピッチに仰向けに倒れ込んだ興梠だが、ロッカールームから出てきたあとはいっさい不満を漏らさなかった。
 
「相手も良いチームだった。アジアチャンピオンは、個人的にも目標としていただけに悔しいです」
 
 FCソウルは好戦的で、Kリーグ首位を走るだけに力のある相手だった。埼スタで対戦した時とは異なり、ホーム(ソウル)では攻め勝つことへのこだわりが強く感じられた。そういったチームと真っ向から激しくぶつかり合えたことに、少なからず充実感を得ていた。だからこそ、勝てるチャンスを逃し、一層、悔しさを噛み締めていた。
 
「チームとして、やるべきことができていただけに……。この悔しさを糧にしなければならない」と柏木は語り、「これが現実」と李も受け止める。
 
 失ったものも、得たものもあった。なかでも攻撃こそ最大の防御という浦和と共通する志を持って高い理想を追求し、Jリーグクラブにはないパワーをも備えるFCソウルというライバルができたことが、一番の収穫に挙げられるかもしれない。
 
「来年この舞台に必ず戻ってくる」と、西川は誓う。

 ただ、その前に今年12月、FCソウルがアジアの頂点に立てば、日本開催のクラブ・ワールドカップ(CWC)で再戦するチャンスが、浦和には残っている。もちろんアジア勢にとって、欧州や南米の王者との対戦がCWCの醍醐味だが、ホーム&アウェーの試合自体は引き分けに終わった今季の決着をつける申し分ない機会にもなり得る。

 その権利を得るには、Jリーグの年間王者になるしかない。
 
 
取材・文:塚越 始(サッカーダイジェスト編集部)
 

試合前に握手を交わしたペトロヴィッチ監督とチェ・ヨンス監督。年齢差はあるが、良きライバルとなりそうだ。写真:徳原隆元

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