【浦和】地獄と天国を2往復。証言から紐解く「ソウルショック」の敗因と収穫

カテゴリ:Jリーグ

塚越 始(サッカーダイジェスト)

2016年05月27日

ズラタンが語ったポイント。「小さなミスが、次の瞬間には自分たちの首を絞めることになる。それはこの日、両チームに言えることだった」

あとは決めるだけ――。数多くのチャンスを作ったズラタンは、83分の決定的なシュートなどを外してしまった。写真:徳原隆元

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 ただ、プレッシングが弱まり、ペナルティエリアの外のバイタルエリアに“エアポケット”ができる。浦和の勝利まであと1分と迫った延長後半15+2分、そのスペースにカットインして入り込んだコ・ヨハンに、鋭い弾丸ショットを突き刺される。
 
 土壇場でトータルスコア3-3に――。浦和が守備に回った際の悪い傾向と言えるが、ボールに向かっていけない傍観者となった選手が何人かいた。わずか7分で、天国から地獄に再び転落した。
 
 ズラタンのコメントは、この試合のポイントを上手く言い当てていた。
 
「小さなミスが、次の瞬間には自分たちの首を絞めることになる。それはこの日、両チームに言えることだった。しかし、結果的にその状況を上手くアドバンテージとして生かす方法を持っていたのは相手のほうだった」
 
 FCソウルに再び流れが傾いたなかで、PK戦に突入する。ただ、浦和のサポーターが声援を送っていたほうのゴールが使われることになる。それにより浦和の選手たちも、もう一度奮い立った。
 
 まず阿部が1本目のキックを沈め、心理的にも浦和が優位に立つ。遠藤も、ズラタンも、相手GKに勝る“強気”のキックを決めていく。
 
 そしてFCソウルの3人目、主将オスマール・バルバがクロスバーの上へキックを外す。直後の大事なキックを、森脇が冷静に決める。
 
 これで浦和は西川が4人目か5人目のPKをあと1本止めるか、5人目のキッカーが決めれば勝ち上がりが決定する“あと一本”の状況に持ち込む。
 
 浦和は再び「天国」まで“あと一歩”に迫った。
 
 しかし、5人目のキッカー西川がゴール正面に蹴ったキックは、GKにブロックされてしまう。そして8人目までもつれ、キム・ドンウのキックが決まった瞬間、スタジアムにFソウルの凱歌が響き渡った。
 
 改めて、両チームのキッカーをまとめておこう。
 
浦和(先行) │FCソウル(後攻)
1│阿部○  │アドリアーノ○
2│遠藤○  │パク・チュヨン○
3│ズラタン○│オズマール×
4│森脇○  │キム・ウォンシク○
5│西川×  │コ・ヨハン○
6│梅崎○  │パク・ヨンウ○
7│李 ○  │コ・グアンミン○
8│駒井×  │キム・ドンウ○
 
 
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