「(理想は)全部に勝てる選手かな」
鹿島ではボランチを任される一方、代表では高い位置での起用が増える。そんな流れは、今のヴァイッド・ハリルホジッチ体制下でも変わらない。このクラブと代表のギャップをどう感じているのか気になるが、本人が東アジアカップ中にほとんど口を開かなかったため、残念ながら心中は分からなかった。
ただ、ひとつハッキリと言えるのは、柴崎を招集した両外国人指揮官が、彼が活きるポジションをゴールに近い位置だと認識していることだ。
課題として取り組んできた守備面は改善されているが、ワールドカップで指揮を執った名伯楽たちには物足りないのだろう。世界レベルと対戦した時に、防波堤になれるのか。起用法を見る限り、そんな疑問を抱いたとしてもおかしくはない。
とはいえ、そうした懸念は、本人も織り込み済みのはずだ。
「コンタクトプレーに違いを感じた」というプロ1年目の感想は、翌年には「こうすればボールは取れるんだという感覚を掴めた」に変わった。
さらに13年には「状況に合わせた対応をしたい」と、もうひとつステップが上がっている。高い理想に到達するための努力を惜しまない柴崎にとって、ハードルは高いほどいいのだ。
かつて、こんなことも言っていた。
「(理想は)全部に勝てる選手かな。試合の結果も、局面でのプレーもそう。ヘディングの競り合い、1対1の攻防、混戦でのコンタクトにも勝つ。ひとつも負けない選手。まあ、そんなのあり得ないと思うじゃないですか。でも、そこを目標に置いているから、ひとつでも欠けたら悔しいし、試合に勝っても反省があるんです」
鹿島でも押しも押されもせぬ主力になり、代表での地位を確立する今でも、その想いは変わらないだろう。
「辿り着けないかもしれないと思う自分もいながら、諦めずに追いかけている自分もいる。それが楽しい」
無邪気なまでに高みを目指す野心家は、今この瞬間も理想へ向けて走り続けている。
取材・文:五十嵐創(サッカーダイジェスト編集部)
(※サッカーダイジェスト2015年8月27日号より抜粋)
ただ、ひとつハッキリと言えるのは、柴崎を招集した両外国人指揮官が、彼が活きるポジションをゴールに近い位置だと認識していることだ。
課題として取り組んできた守備面は改善されているが、ワールドカップで指揮を執った名伯楽たちには物足りないのだろう。世界レベルと対戦した時に、防波堤になれるのか。起用法を見る限り、そんな疑問を抱いたとしてもおかしくはない。
とはいえ、そうした懸念は、本人も織り込み済みのはずだ。
「コンタクトプレーに違いを感じた」というプロ1年目の感想は、翌年には「こうすればボールは取れるんだという感覚を掴めた」に変わった。
さらに13年には「状況に合わせた対応をしたい」と、もうひとつステップが上がっている。高い理想に到達するための努力を惜しまない柴崎にとって、ハードルは高いほどいいのだ。
かつて、こんなことも言っていた。
「(理想は)全部に勝てる選手かな。試合の結果も、局面でのプレーもそう。ヘディングの競り合い、1対1の攻防、混戦でのコンタクトにも勝つ。ひとつも負けない選手。まあ、そんなのあり得ないと思うじゃないですか。でも、そこを目標に置いているから、ひとつでも欠けたら悔しいし、試合に勝っても反省があるんです」
鹿島でも押しも押されもせぬ主力になり、代表での地位を確立する今でも、その想いは変わらないだろう。
「辿り着けないかもしれないと思う自分もいながら、諦めずに追いかけている自分もいる。それが楽しい」
無邪気なまでに高みを目指す野心家は、今この瞬間も理想へ向けて走り続けている。
取材・文:五十嵐創(サッカーダイジェスト編集部)
(※サッカーダイジェスト2015年8月27日号より抜粋)