「悪いプレーがひとつ出ると雰囲気を自ら壊してしまう」
冨岡が抱いた違和感の正体は、昨シーズン1部に昇格していきなり圧倒的な成績で優勝し、「追う立場」から「追われる立場」になったことによる重圧の変化だったかもしれない。
「優勝が当たり前といわれるような雰囲気だと、ボールを奪われるたびにチームの空気が悪くなるといいますか。ボールを保持して当たり前、シュートを決めて当たり前、勝って当たり前。そういう雰囲気なので、ひとつのミスも許されない空気を自分たちで作ってしまう。するとプレーに思い切りがなくなってしまいます。自分は最近、ケガで外からチームの試合を観る機会も多かったのですが、消極的なプレーがわりと目立つなと感じました。優勝を宿命づけられたチームにいたことがこれまでなかったので、このような雰囲気は自分のサッカー人生でもあまり経験したことはなかったものでした」
練習を積み重ねていくことで、シーズンが進むにつれチームが目指す「繋ぐサッカー」の形はでき上がってきた。だが、公式戦で狙い通りの形がなかなか決まらない。
「練習ではいいプレーが出ていて雰囲気もいいのですが、試合になると“負けられない”という気負った空気が出てきてしまうんです。狙った形でのゴールはチームとしてほとんどなく、セットプレーから点を取ることが多いのが現状です。そこは自分も含めてFWの責任。外したくて外してるわけではないんですけど、やはり雰囲気なのでしょうか。選手個々は一生懸命やっているし、勝ちたい気持ちだってある。でも悪いプレーがひとつ出ると雰囲気を自ら壊してしまう。そんな状態のところに相手が意気込んでくるという悪循環ですね」
「試合中の選手たちのプレーが淡々として見える、とはよく言われます」と言うように、どこか流れを掴みきれず、相手に主導権を握られてしまう。その原因はこの悪循環にあったといっていい。
「今シーズンは気持ちが続かない、というのがありまして。前の試合を反省して次の試合では改善しようとする。それで実際に気持ちが出た、とか、点が取れた、とか結果が出る。でもそれを次の試合に持続できないから、勝ち切れずに引き分けたりする。それでまた仕切り直す、ということの繰り返しで」
自分たちにもすべきことは分かっている。だができない。もっと言えば、チームとしてできない。これまでも南葛SCは周囲から期待を寄せられてきた。しかし、今シーズンはさらに大きな期待が寄せられた。この膨張し続ける期待を、力に変えられる選手と重圧になってしまう選手がいる。このギャップをチームレベルで均一にならすことは非常に難しい。アマチュアとプロが混在し、仕事も違えば生活リズムも異なる社会人チームともなれば、その困難さはプロチームのそれよりも上だろう。
「優勝が当たり前といわれるような雰囲気だと、ボールを奪われるたびにチームの空気が悪くなるといいますか。ボールを保持して当たり前、シュートを決めて当たり前、勝って当たり前。そういう雰囲気なので、ひとつのミスも許されない空気を自分たちで作ってしまう。するとプレーに思い切りがなくなってしまいます。自分は最近、ケガで外からチームの試合を観る機会も多かったのですが、消極的なプレーがわりと目立つなと感じました。優勝を宿命づけられたチームにいたことがこれまでなかったので、このような雰囲気は自分のサッカー人生でもあまり経験したことはなかったものでした」
練習を積み重ねていくことで、シーズンが進むにつれチームが目指す「繋ぐサッカー」の形はでき上がってきた。だが、公式戦で狙い通りの形がなかなか決まらない。
「練習ではいいプレーが出ていて雰囲気もいいのですが、試合になると“負けられない”という気負った空気が出てきてしまうんです。狙った形でのゴールはチームとしてほとんどなく、セットプレーから点を取ることが多いのが現状です。そこは自分も含めてFWの責任。外したくて外してるわけではないんですけど、やはり雰囲気なのでしょうか。選手個々は一生懸命やっているし、勝ちたい気持ちだってある。でも悪いプレーがひとつ出ると雰囲気を自ら壊してしまう。そんな状態のところに相手が意気込んでくるという悪循環ですね」
「試合中の選手たちのプレーが淡々として見える、とはよく言われます」と言うように、どこか流れを掴みきれず、相手に主導権を握られてしまう。その原因はこの悪循環にあったといっていい。
「今シーズンは気持ちが続かない、というのがありまして。前の試合を反省して次の試合では改善しようとする。それで実際に気持ちが出た、とか、点が取れた、とか結果が出る。でもそれを次の試合に持続できないから、勝ち切れずに引き分けたりする。それでまた仕切り直す、ということの繰り返しで」
自分たちにもすべきことは分かっている。だができない。もっと言えば、チームとしてできない。これまでも南葛SCは周囲から期待を寄せられてきた。しかし、今シーズンはさらに大きな期待が寄せられた。この膨張し続ける期待を、力に変えられる選手と重圧になってしまう選手がいる。このギャップをチームレベルで均一にならすことは非常に難しい。アマチュアとプロが混在し、仕事も違えば生活リズムも異なる社会人チームともなれば、その困難さはプロチームのそれよりも上だろう。