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両者の“戦術”のぶつかり合いが面白い! 中断明け注目の一戦「鳥栖vs清水」をプロ分析官が徹底展望!

カテゴリ:Jリーグ

サッカーダイジェストWeb編集部

2021年09月10日

清水の敵陣での攻撃vs鳥栖の自陣での守備

清水が敵陣でボールを保持している際のマッチアップ図。

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 清水の攻撃が一番相手に脅威を与えている時は、図のように前に6人が並んでいる時です。これにより、鳥栖の中盤3選手は、誰をマークすればいいのか分からない状態になります。

 中盤が下がって守備をすることはひとつの手ですが、下がりすぎてしまうと今度は真ん中にスペースが空いてしまい、ホナウドらに自由にボールを捌かれてしまう可能性もあります。よって、鳥栖は中盤の3枚が誰をマークするのか、どこに立ち位置を取るのかをしっかりと整理することが必要です。

 清水はサイドチェンジを多用するチームですが、鳥栖は5バックなので対応されるおそれがあり、頻発はできないでしょう。清水側からすると、そこをどう考えるかですね。横の揺さぶりを少し見せておいて、片山から斜めのくさびを入れて、中央で崩すということも狙えます。

 このときに鳥栖は、3CB中央のエドゥアルドが前に出て対応するというシーンがこれまでも何度も見られました。ただ、そこで潰せればカウンターのチャンスにもなりますが、真ん中を崩される可能性もある。ここのエドゥアルドの振る舞いに注目しても面白いのではないでしょうか。

 また鳥栖の横浜戦の3、4失点目は、4バックの裏に簡単にパスを通されてしまったことによるものでした。5バックだとしても、清水相手にどこまでラインを高く設定するのかも見どころです。GKの朴は前に出て行って処理をする能力に長けているので、あえて高い位置にラインを設定し、裏へ蹴らせてGKが回収するということも可能でしょう。

 この局面の最後の見どころポイントは、清水のリスクマネジメント。相手の前線の選手に対してのマーキングが緩いというシーンが過去の試合で見受けられるので、ここの修正ができていないと鳥栖のカウンターを受ける危険があります。2トップに対するケアの仕方。放送で画面の枠内に映るかは分かりませんが、この攻防にも注目です。

 今回の両チームの特長は走れること。今季の総走行距離は全20クラブ中、鳥栖が1位で清水が4位と、走り合いもひとつの見どころです。ただスプリント回数では、鳥栖が8位に対し、清水は156回で最下位。両者の走り方の質の差もゲームの結果に影響するかもしれません。
 

Jリーグ優勝クラブで活動していたアナリストの杉崎健氏。Twitter(https://twitter.com/suzakken)やオンラインサロン(https://community.camp-fire.jp/projects/view/356767)などでも活動中。

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【著者プロフィール】
杉崎健(すぎざき・けん)/1983年6月9日、東京都生まれ。Jリーグの各クラブで分析を担当。2017年から2020年までは、横浜F・マリノスで、アンジェ・ポステコグルー監督の右腕として、チームや対戦相手を分析するアナリストを務め、2019年にクラブの15年ぶりとなるJ1リーグ制覇にも大きく貢献。現在は「日本代表のW杯優勝をサポートする」という目標を定め、プロのサッカーアナリストとして活躍している。Twitterやオンラインサロンなどでも活動中。

◇主な来歴
ヴィッセル神戸:分析担当(2014~15年)
ベガルタ仙台:分析担当(2016年)
横浜F・マリノス:アナリスト(2017年~20年)

◇主な実績
2017年:天皇杯・準優勝 
2018年:ルヴァンカップ・準優勝 
2019年:J1リーグ優勝
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