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【EURO2016開催地を巡る旅】最終回:パリとパルク・デ・プランス「芸術と進歩と自由の都で一生の思い出を」

カテゴリ:連載・コラム

結城麻里

2016年05月31日

愛されるカフェやレストラン。パリは揺らげども沈まず――。

自由の都、パリの象徴でもあるカフェ(写真はフロール)。パリジャンの日常を味わってみてはいかがだろうか。 (C) REUTERS/AFLO

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 パリといえばカフェ、カフェといえばパリ! パリジャンたちは皆、自分のカフェを持っています。
 
 しばらく滞在できる方は、是非とも宿の近くに自分のカフェを見つけてみましょう。ゆったりとカフェで朝食をとり、ギャルソン(男性給仕)や見知らぬ客と言葉を交わし、ジョークが言えるようになったら、それがパリらしい生活です。
 
 とはいえ、お洒落なサンジェルマン・デ・プレの有名カフェに行くのも、思い出になるでしょう。
 
 サルトルとヴォーボワールが連日執筆していた「カフェ・ド・フロール」と「ドゥー・マゴ」は今、世界中の知識人や文化人が集う場となっています。午前2時まで営業しているので、遅くまで飲食できます。
 
 ノーベル平和賞を受賞したアウンサンスーチーさんは、長い幽閉のあいだ、ずっとフロールに来ることを夢見ていたそうです。学生時代に来たフロールこそ、精神の自由の象徴だったからです。
 
 そしてついに自由の身となり、ノーベル賞を受賞した後、彼女はお忍びでフロールに来ると、しばしそっと感動に身を浸しました。目撃した人々も、彼女をそっとしてやりながら、目頭を熱くしたそうです。
 
 アポリネールが死んだのもフロールなら、現代映画スターや映画監督がやって来るのもフロール。ここには文化の魂が宿っています。
 
 さあ、レストランも見つけましょう! 今、パリジャンに大流行なのが、そのカフェ・ド・フロールのすぐ後ろにある「L’ Entrecote(ラントルコート)」です。
 
 出すのはなんと一品のみ! 上質牛と自慢のソースが絶妙です。フランスでは珍しく、ギャルソンではなく女性が給仕します。数軒ありますが、この「サンジェルマン・デ・プレ」店が最好評。行列ができる店として有名になっていますので、お試しあれ。
 
 また、シャンゼリゼに近いモンテーニュ通りは、セレブがよく来る通り。ここにあるレストランは、高いけれど洗練されたお味です。運が良ければ、フットボーラーにも会えるかも?
 
 でも、自分で探してみるのも旅の極意。パリには美味しいビストロやレストランがどこにでもあります。観光スポットのど真ん中を避け、落ち着いた場所に良いお店を見つけられれば達人です。
 
「あ~あ」とガッカリするのもまた、思い出のうち。高級レストランがいいならガイドブックを手に、中華やベトナムやタイ料理なら13区へ、和食が恋しくなったらオペラ座界隈へ。世界中の食文化で溢れるのも、パリの大きな魅力なのです。
 
 同時テロは、そんなパリの自由を標的にしましたが、パリは不滅です。マドンナがレピュブリック広場に駆けつけ、泣きながら「ラ・マルセイエーズ(フランス国歌)」をアカペラで歌い上げたように、世界中の人間らしい人々がパリに連帯しました。
 
「FLUCTUAT NEC MERGITUR(揺らげども沈まず)」
 
 これがパリの標語なのです。EUROもきっと成功させるでしょう。
 
 パリはお祭り。パリは人間くささ。パリは自由――。フットボールとともに、世界中に愛されるパリを十分に堪能してみてください!
<了>
 
文:結城 麻里
 
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