ただ空しく試合終了のホイッスルを聞く
しかし蓋を開けてみれば、アンカーがデ・ロッシからジョルジーニョ、左インサイドハーフが累積警告で出場停止のヴェッラッティからアレッサンドロ・フロレンツィ、2トップの一角がベロッティからマノーロ・ガッビアディーニへと変わったものの、システムは3-5-2のまま。試合を前にしてスタメンの顔ぶれが見えてきた段階で、マスコミ、そしてサポーターの間には一気に悲観的な空気が広がることになった。
象徴的だったのは、試合開始前の選手紹介で盛り上がったサン・シーロで、最後にヴェントゥーラの名前がアナウンスされた途端、7万人の多くからブーイングの口笛が湧き上がったこと。国を代表するチームの指揮官が国民の信頼を失った状況で、勝たなければ60年ぶりにワールドカップ出場を逃すという決戦に臨むというのは、ありえない事態である。
そして始まった試合は、スウェーデンが最初から引き分け狙いで自陣に引きこもったこともあり、第1レグにも増してイタリアが一方的にボールを支配する展開になった。
アンカーに起用したジョルジーニョが積極的な動きで最終ラインからボールを引き出そうと務めたことで、その呼吸が噛み合い始めた前半半ばからの20分ほどは、そのジョルジーニョを基点とした中盤でのコンビネーションでスウェーデンの守備ブロックを揺さぶり、最終ラインを脅かす場面が何度か生まれた。40分にはそのジョルジーニョからのスルーパスでインモービレが裏に抜け出し、シュートがGKに弾かれるというこの試合最大の決定機も作り出した。
しかしそれも、試合全体からみればごく小さな一部分に過ぎなかった。バルザーリ、ボヌッチ、キエッリーニという最終ラインは、ミスして奪われれば被カウンターに繋がる可能性がある中央のゾーンへのパスよりも、より安全なサイドへの展開を選ぶマインドが強く、ジョルジーニョやフロレンツィがマークを外してパスコースを作り出しても、そこに通そうというチャレンジを避ける傾向から逃れられない。
後半に入ると、早くゴール前にボールを運びたいという焦りも加わって、中央からのコンビネーションで揺さぶりをかける試みはほとんど見られなくなり、結局サイドからクロスを入れてははね返されるという埒の明かない展開に終始することになった。試合が終わってみれば、放り込んだクロスの数は第1レグを大きく上回る51本。しかしそこからは一度たりとも決定機を作り出すことができなかった。
ヴェントゥーラは最後の30分、エル・シャーラウィ、ベロッティ、フェデリコ・ベルナルデスキという攻撃的なプレーヤーを投入したが、戦況を読んだ上で状況を打開するための戦術的な解決策として選手交代をしたわけではなく、単に変わらぬ戦術的な枠組みの中で駒だけを入れ替えてみたに過ぎない。終了間際には絶望的な総攻撃で一方的に押し込んだものの、偶然以外に頼るものは何もなく、ただ空しく試合終了のホイッスルを聞く以外にはなかった。
象徴的だったのは、試合開始前の選手紹介で盛り上がったサン・シーロで、最後にヴェントゥーラの名前がアナウンスされた途端、7万人の多くからブーイングの口笛が湧き上がったこと。国を代表するチームの指揮官が国民の信頼を失った状況で、勝たなければ60年ぶりにワールドカップ出場を逃すという決戦に臨むというのは、ありえない事態である。
そして始まった試合は、スウェーデンが最初から引き分け狙いで自陣に引きこもったこともあり、第1レグにも増してイタリアが一方的にボールを支配する展開になった。
アンカーに起用したジョルジーニョが積極的な動きで最終ラインからボールを引き出そうと務めたことで、その呼吸が噛み合い始めた前半半ばからの20分ほどは、そのジョルジーニョを基点とした中盤でのコンビネーションでスウェーデンの守備ブロックを揺さぶり、最終ラインを脅かす場面が何度か生まれた。40分にはそのジョルジーニョからのスルーパスでインモービレが裏に抜け出し、シュートがGKに弾かれるというこの試合最大の決定機も作り出した。
しかしそれも、試合全体からみればごく小さな一部分に過ぎなかった。バルザーリ、ボヌッチ、キエッリーニという最終ラインは、ミスして奪われれば被カウンターに繋がる可能性がある中央のゾーンへのパスよりも、より安全なサイドへの展開を選ぶマインドが強く、ジョルジーニョやフロレンツィがマークを外してパスコースを作り出しても、そこに通そうというチャレンジを避ける傾向から逃れられない。
後半に入ると、早くゴール前にボールを運びたいという焦りも加わって、中央からのコンビネーションで揺さぶりをかける試みはほとんど見られなくなり、結局サイドからクロスを入れてははね返されるという埒の明かない展開に終始することになった。試合が終わってみれば、放り込んだクロスの数は第1レグを大きく上回る51本。しかしそこからは一度たりとも決定機を作り出すことができなかった。
ヴェントゥーラは最後の30分、エル・シャーラウィ、ベロッティ、フェデリコ・ベルナルデスキという攻撃的なプレーヤーを投入したが、戦況を読んだ上で状況を打開するための戦術的な解決策として選手交代をしたわけではなく、単に変わらぬ戦術的な枠組みの中で駒だけを入れ替えてみたに過ぎない。終了間際には絶望的な総攻撃で一方的に押し込んだものの、偶然以外に頼るものは何もなく、ただ空しく試合終了のホイッスルを聞く以外にはなかった。