• トップ
  • ニュース一覧
  • 【検証】イタリアはなぜ世界王者から予選敗退まで凋落した? 前編:無策すぎたプレーオフ

【検証】イタリアはなぜ世界王者から予選敗退まで凋落した? 前編:無策すぎたプレーオフ

カテゴリ:ワールド

片野道郎

2017年11月16日

戦術とタスクが実効性を欠けば選手ができることは限られる。

第1レグの61分にスローインから失点。最終的にこれが予選敗退の決定打となった。(C)Getty Images

画像を見る

 その責任をどこに期すべきかと考えた時に、「ジャン・ピエロ・ヴェントゥーラ監督の手腕」以外の答えを見出すことは難しい。ゴールを挙げられなかったのは監督ではなく選手だが、選手にできるのは監督が決めたポジションで与えられた戦術とタスクを遂行することだけ。その戦術とタスクが実効性を欠いている場合、選手にできることは極めて限られている。
 
 第1レグでヴェントゥーラが選んだシステムは以下の3-5-2だった。
 
GK:ジャンルイジ・ブッフォン
DF:アンドレア・バルザーリ、レオナルド・ボヌッチ、ジョルジョ・キエッリーニ
MF:アントニオ・カンドレーバ、マルコ・パローロ、ダニエレ・デ・ロッシ、マルコ・ヴェッラッティ、ダルミアン
FW:ベロッティ、インモービレ
 
 3バックとアンカーのデ・ロッシが形成する後方の四角形でパスを回し、その間にインサイドハーフが高い位置まで進出。2トップと合わせた4人で敵の4バックをペナルティーエリアの幅に「固定」し、空いたサイドのスペースに攻め上がったウイングバックにボールを展開してそこからクロスを折り返すか、あるいは早めのタイミングで2トップに斜めのパスを入れてそこからフィニッシュを狙う、というのが基本的なゲームプランだった。
 
 しかしすでに見た通り、この戦い方はまさにスウェーデンの注文通り。イタリアは3バックと左右のウイングバックが、中央をコンパクトに固めた相手の4-4-2ブロックの外側で「U字型」にボールを回してはクロスを入れるだけで、そのブロックの中に入り込んでそれを揺さぶったり、こじ開けたりしようとすることを試みすらしなかった。
 
 28本入れたクロスのうち、決定機に結びついたのは前述したベロッティのヘディングシュートただ一度。それ以降の1時間あまりは危険な香りが漂うことすらない、不毛なサイド攻撃の繰り返しで終わった。
 
 スウェーデンの攻撃は、前線への放り込みからそのセカンドボールを狙うという単純なパターンを基本に、ファウルを得てのFKや敵陣でのスローインといったセットプレーで敵陣に人数を送り込んだ時がチャンスという質実剛健なもの。そして61分、まさにそのスローインからのこぼれ球を叩いたミドルシュートが、しかもデ・ロッシの足に当たってコースが変わってゴールネットを揺らすという形で虎の子の1点を挙げて、それを守り切って第1レグの勝利を手に入れた。想定し得る唯一の勝ちパターンにはまったわけだ。
 
【関連記事】
【検証】イタリアはなぜ世界王者から予選敗退まで凋落した? 後編:連盟と育成の機能不全
アンチェロッティがイタリア代表監督就任に前向き? あのレジェンドも入閣か?
アメリカが予選敗退国を集めた“裏W杯”開催を計画! その壮大な構想の内容は…
W杯抽選会のポットが確定! 日本にとって最高&最悪のシナリオは?
W杯32か国の「ユニホーム・サプライヤー」まとめ! 最多契約のブランドは?

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ