戦術とタスクが実効性を欠けば選手ができることは限られる。
その責任をどこに期すべきかと考えた時に、「ジャン・ピエロ・ヴェントゥーラ監督の手腕」以外の答えを見出すことは難しい。ゴールを挙げられなかったのは監督ではなく選手だが、選手にできるのは監督が決めたポジションで与えられた戦術とタスクを遂行することだけ。その戦術とタスクが実効性を欠いている場合、選手にできることは極めて限られている。
第1レグでヴェントゥーラが選んだシステムは以下の3-5-2だった。
GK:ジャンルイジ・ブッフォン
DF:アンドレア・バルザーリ、レオナルド・ボヌッチ、ジョルジョ・キエッリーニ
MF:アントニオ・カンドレーバ、マルコ・パローロ、ダニエレ・デ・ロッシ、マルコ・ヴェッラッティ、ダルミアン
FW:ベロッティ、インモービレ
3バックとアンカーのデ・ロッシが形成する後方の四角形でパスを回し、その間にインサイドハーフが高い位置まで進出。2トップと合わせた4人で敵の4バックをペナルティーエリアの幅に「固定」し、空いたサイドのスペースに攻め上がったウイングバックにボールを展開してそこからクロスを折り返すか、あるいは早めのタイミングで2トップに斜めのパスを入れてそこからフィニッシュを狙う、というのが基本的なゲームプランだった。
しかしすでに見た通り、この戦い方はまさにスウェーデンの注文通り。イタリアは3バックと左右のウイングバックが、中央をコンパクトに固めた相手の4-4-2ブロックの外側で「U字型」にボールを回してはクロスを入れるだけで、そのブロックの中に入り込んでそれを揺さぶったり、こじ開けたりしようとすることを試みすらしなかった。
28本入れたクロスのうち、決定機に結びついたのは前述したベロッティのヘディングシュートただ一度。それ以降の1時間あまりは危険な香りが漂うことすらない、不毛なサイド攻撃の繰り返しで終わった。
スウェーデンの攻撃は、前線への放り込みからそのセカンドボールを狙うという単純なパターンを基本に、ファウルを得てのFKや敵陣でのスローインといったセットプレーで敵陣に人数を送り込んだ時がチャンスという質実剛健なもの。そして61分、まさにそのスローインからのこぼれ球を叩いたミドルシュートが、しかもデ・ロッシの足に当たってコースが変わってゴールネットを揺らすという形で虎の子の1点を挙げて、それを守り切って第1レグの勝利を手に入れた。想定し得る唯一の勝ちパターンにはまったわけだ。
第1レグでヴェントゥーラが選んだシステムは以下の3-5-2だった。
GK:ジャンルイジ・ブッフォン
DF:アンドレア・バルザーリ、レオナルド・ボヌッチ、ジョルジョ・キエッリーニ
MF:アントニオ・カンドレーバ、マルコ・パローロ、ダニエレ・デ・ロッシ、マルコ・ヴェッラッティ、ダルミアン
FW:ベロッティ、インモービレ
3バックとアンカーのデ・ロッシが形成する後方の四角形でパスを回し、その間にインサイドハーフが高い位置まで進出。2トップと合わせた4人で敵の4バックをペナルティーエリアの幅に「固定」し、空いたサイドのスペースに攻め上がったウイングバックにボールを展開してそこからクロスを折り返すか、あるいは早めのタイミングで2トップに斜めのパスを入れてそこからフィニッシュを狙う、というのが基本的なゲームプランだった。
しかしすでに見た通り、この戦い方はまさにスウェーデンの注文通り。イタリアは3バックと左右のウイングバックが、中央をコンパクトに固めた相手の4-4-2ブロックの外側で「U字型」にボールを回してはクロスを入れるだけで、そのブロックの中に入り込んでそれを揺さぶったり、こじ開けたりしようとすることを試みすらしなかった。
28本入れたクロスのうち、決定機に結びついたのは前述したベロッティのヘディングシュートただ一度。それ以降の1時間あまりは危険な香りが漂うことすらない、不毛なサイド攻撃の繰り返しで終わった。
スウェーデンの攻撃は、前線への放り込みからそのセカンドボールを狙うという単純なパターンを基本に、ファウルを得てのFKや敵陣でのスローインといったセットプレーで敵陣に人数を送り込んだ時がチャンスという質実剛健なもの。そして61分、まさにそのスローインからのこぼれ球を叩いたミドルシュートが、しかもデ・ロッシの足に当たってコースが変わってゴールネットを揺らすという形で虎の子の1点を挙げて、それを守り切って第1レグの勝利を手に入れた。想定し得る唯一の勝ちパターンにはまったわけだ。