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【検証】イタリアはなぜ世界王者から予選敗退まで凋落した? 前編:無策すぎたプレーオフ

カテゴリ:ワールド

片野道郎

2017年11月16日

インシーニェを活かす提言は受け入れられず。

10番を背負うインシーニェは第1レグ最後に投入されたのみ。しかも持ち味がまったく活きなかった。(C)Getty Images

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 しかるに、第2レグを迎えるにあたってのイタリアの課題は自ずと明らかだった。簡単に言えば、第1レグと同じ轍を踏まないこと。マスコミレベルでジャーナリストやオピニオニストが重ねた議論を通して出てきた提言は、大きく次の2つに集約できた。
 
 ひとつは、選手起用に関するもの。もっと具体的に言えば、イタリアで最もクリエイティビティーに富みひとつのプレーで決定的なチャンスを作り出すクオリティーを備えているだけでなく、チャンピオンズ・リーグでの国際舞台経験も豊富なロレンツォ・インシーニェを起用し、その力を引き出すようなシステムと戦術を準備すべきだという意見である。
 
 ヴェントゥーラはこれまで、4-2-4や3-4-3の左ウイングとしてインシーニェを起用してきたが、その結果は決して芳しいものではなかった。
 
 所属するナポリでのインシーニェは、4-3-3の左ウイングとしてファウジ・グラン、マレク・ハムシク、ドリース・メルテンスというチームメイトと息の合った連携を見せる。左サイドでもサイドライン際よりひとつ内側に入った「ハーフスペース」と呼ばれるゾーンを使ったコンビネーションやラストパスで違いを作り出しているのだ。
 
 だがイタリア代表では、同じ左サイドでもワイドに開いてゴールから遠い位置で、しかも周囲のサポートがない孤立した状態でボールを持ち単独で突破を仕掛ける状況に置かれて、持ち味を発揮できないという試合が続いた。
 
 その結果を見たヴェントゥーラは、自らの戦術の中にはインシーニェを活かせる場所がないと判断したのだろう、3-5-2を採用した第1レグではスタメンから外すことになる。後半最後の14分にヴェッラッティと交代で投入したものの、ゴールから遠い場所で何度かボールに触っただけで、攻撃の最終局面に絡む場面は皆無に終わった。
 
 もうひとつの提言は、そのインシーニェを活かすことも含め、アッズーリが持つ戦力的なリソースをより引き出せるだけでなく、クロスに頼るよりも中央からの揺さぶりや崩しに適した4-3-3システムを採用すべきだというものだ。
 
 その理由としては、インシーニェ、カンドレーバ、さらにはステファン・エル・シャーラウィといったウイングのクオリティーをよりゴールに近いゾーンで活かせることがひとつ。さらに、最前線でフィニッシュを担うインモービレ(あるいはベロッティ)も、クラブでは1トップとしてプレーしており、前線を自由に動き回ってスペースをアタックし、あるいは作り出すことで最も持ち味を発揮するタイプであることがもうひとつの理由だった。
 
 いずれにしても、インシーニェを使わず、3-5-2にこだわって第1レグと同じ戦い方を繰り返すようでは第2レグも勝ち目は薄い、というのが衆目の一致するところだった。
 
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