• トップ
  • ニュース一覧
  • 【編集長コラム】失望の後に変革あり――アジアの現実を知ったハリルホジッチ監督は、最適解を見出せるか?

【編集長コラム】失望の後に変革あり――アジアの現実を知ったハリルホジッチ監督は、最適解を見出せるか?

カテゴリ:日本代表

谷沢直也(サッカーダイジェスト編集長)

2015年06月18日

司令塔タイプと「8年サイクル」。遠藤の後釜となるのは――。

シンガポール戦でも圧倒的な存在感を放っていた本田。今後も軸となる彼を右サイドに固定するのか、それとも中央に置くのか。その起用法に指揮官の哲学も色濃く反映されそうだ。 写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

画像を見る

 個人的にシンガポール戦を見て改めて感じたのは、宇佐美貴史や武藤嘉紀など近年はアタッカータイプの選手の台頭は継続的に見られるが、かつて日本の代名詞とも言えた中盤の司令塔タイプの人材が、枯渇し始めているということだ。
 
 少し強引な見方ではあるが、近年の日本代表の中盤で一時代を築く選手のサイクルは、「8年前後」だと考えている。五輪代表からA代表の主力へ――という流れが日本で根強いことも関係しているのだろうが、Jリーグ発足以降、日本代表の中盤で長くシンボル的存在となったのは、97~06年=中田英寿、02~10年=中村俊輔、06~14年=遠藤保仁、10年~=本田圭佑といったところだろう。
 
 シンガポール戦で再認識させられたのが、06年に発足したオシム体制以降の日本代表のサッカーは、遠藤とともにあったということ。確かな技術と独特なリズムでパスを散らす姿は、間違いなく近年のチームの心臓部と言えた。
 
 35歳となった彼の後釜として、背番号まで譲り受けているのが柴崎岳だが、彼がワールドカップ予選で継続的に攻撃のタクトを振るうのか、それとも別の人材を据えて中盤を再構築するのかは、今後のひとつの焦点となる。
 
 またアタッカー陣で言えば、シンガポール戦でハリルホジッチ監督は先発した宇佐美を78分まで引っ張った一方、香川真司を61分に早々と交代させている。これは2列目における序列の変化を意味するのだろうか。そして変わらずに絶対的な存在感を放つ本田を、右サイドに置き続けるのが最適なのかも含めて、再考の余地はある。
 
 現チームのシンボルである本田は、年齢を考えても32歳で迎える18年ロシア大会を十分に目指すことができる。柴崎との相性も良さそうな彼を中央に置くか、一列下げてプレーメーカー的に使うのも面白そうだが、果たして――。
 
 ハリルホジッチ監督によるチーム作りは、ここから本格化するだろう。そして、その手腕が問われるのも、国内組で臨む8月の東アジアカップからとなる。刺激に満ちた変革に期待したい。
 
取材・文:谷沢直也(サッカーダイジェスト編集長)
【関連記事】
【日本代表/エリア別検証】大胆さに欠けたボランチが停滞を招いた一因に
【サッカーダイジェストの視点】またも陥った“ポゼッション自滅”。1年前のギリシャ戦から時間は止まったままだ
【韓国メディアの反応】スコアレスドローに驚きを示しつつ、韓国との“共通の悩み”に言及
【岩本輝雄の日本代表ぶった斬り】クロスの質が低いうえに、中でただ「待っているだけ」ではゴールは奪えない
【日本代表】金田喜稔がシンガポール戦を一刀両断!|むしろ今後のメンバー争いが楽しみに
【ルーツ探訪】本田圭佑――有言実行の男の原点にある挫折と敗北
【藤田俊哉の目】解消されなかった“渋滞”。本田や長谷部がピッチ上での交通整理をすべき!
【セルジオ越後の天国と地獄】選手たちはまるで高校生。猫がネズミに怖気づいた試合だったね

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 王国の誇りを胸に
    4月10日発売
    サッカー王国復活へ
    清水エスパルス
    3年ぶりのJ1で異彩を放つ
    オレンジ戦士たちの真髄
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 特別企画
    5月1日発売
    プレミアリーグ
    スター★100人物語
    絆、ルーツ、感動秘話など
    百人百通りのドラマがここに!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 完全保存版
    1月17日発売
    第103回全国高校サッカー選手権
    決戦速報号
    前橋育英が7年ぶりの戴冠
    全47試合&活躍選手を詳報!
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ