【識者が選ぶEUROのベスト11】ファイナリストから8人を選出!悩んだポジションが…

カテゴリ:国際大会

内藤秀明

2021年07月19日

ガットゥーゾを彷彿とさせるボールハンター

 セントラルMF2枚の選考も難しかった。フランス代表のポール・ポグバとエンゴロ・カンテは前評判通りのパフォーマンスを披露したし、スイス代表のグラニト・ジャカのリーダーシップには心を揺さぶられたファンも多かったはずだ。あるいはスペイン代表ペドリの冷静かつ高度な技術と状況判断能力を見ると、18歳という年齢を疑いたくもなった。

 ただ、選んだのは、ジョルジーニョとカルバン・フィリップスだ。低い位置からリズムを作ることで、イタリアの攻撃サッカーを支えた前者は、トップレベルのサッカーIQを生かした予測で数々のインターセプトを披露。チェルシーに加入した当初は、球際の弱さを指摘されることも少なくなかったが、激しい守備も見せつけ、ワールドクラスであることを証明した。イングランドは、決勝でキーマンとなった相手選手を自国で成長させてしまったとも考えられる。なんとも皮肉な結果である。
 
 後者の選出には、賛否両論あるかもしれない。彼の最大の魅力はなんといっても運動量と球際の強さだ。最前線から最終ラインまであらゆるエリアに顔を出して敵のキーとなる選手を潰し続けた。

 そのハードワークぶりは、イタリアのレジェンド、ジェンナーロ・ガットゥーゾを彷彿とさせた。特に、序盤からハイペースで120分間走り続けた決勝にパフォーマンスは圧巻だった。スペイン代表のセルヒオ・ブスケツと悩んだが、最終的にはこの25歳をチョイスした。

 3トップは、まずイタリア代表のロレンツォ・インシーニェだ。163センチの小柄なアタッカーはサイドに開いてドリブルを仕掛けるだけでなく、中央のエリアでパスワークに絡み決定的なパスを供給するなど、高いパフォーマンスを披露。前述のスピナッツォーラとの左サイドでのコンビは今大会屈指の破壊力を見せた。瞬間最大風速でいうと、フェデリコ・キエーザのスピードも捨てがたかったが、大会全体を通じて活躍したのはインシーニェのほうだったか。

 もう一人のウイングはデンマーク代表のミケル・ダムスゴーだ。21歳のドリブラーは今大会で最も評価を上げた選手のうちの一人ではないだろうか。デンマークの前線には中央でのプレーを得意とする選手が多いなか、数少ないワイドで輝ける選手として、その俊敏性を生かして何度もドリブル突破を見せた。

 なによりイングランド戦の直接FKで見せた強烈なドライブシュートは世界を震撼させた。そのシュートの威力とボールの落ち方は予測不能で、今大会絶好調だったピックフォードが、大きく落ちる軌道を読みきれず反応が遅れてしまったほどだ。今大会2ゴールをマークしたサンプトリアの新鋭は、今夏の移籍市場でも注目選手になるのは間違いない。
 
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