【識者が選ぶEUROのベスト11】ファイナリストから8人を選出!悩んだポジションが…

カテゴリ:国際大会

内藤秀明

2021年07月19日

存在感が最も際立った、ドイツ戦のワンシーン

 両WBは、イングランドの決勝進出を支えた両SB、カイル・ウォーカーと、ルーク・ショーを選択した。

 まず右のウォーカーに関しては、異論はないのではないだろうか。ワールドクラスのパワーとスピードを完備するマンチェスター・シティのSBは、名立たるドリブラーたちに自由を与えず、対人戦では対面する選手を封殺。加えて圧倒的なカバー範囲の広さを生かして、CBの背後のスペースをケアした。そのおかげで、イングランドは自信を持ってハイプレス&ハイラインのチャレンジができたのだ。

 その存在感が最も際立ったのは、ドイツ戦のワンシーンだろう。ラヒーム・スターリングのパスミスがきかっけで、ベテランFWトーマス・ミュラーに裏抜けを許した場面だ。イングランドの失点は決定的かと思われたが、ウォーカーが驚異のスプリント能力でミュラーとの距離を一瞬で詰め寄ったのだ。

 最終的に追いつきはしなかったが少なからずプレッシャーは与えていたようで、ボールを十分に運び切ることなく放ったミュラーのシュートは枠外に外れていった。シュート技術が売りの名手が決定的な場面で外したのは、ウォーカーの背後からの圧力を感じたからだろう。
 
 左に関しては悩まされた。イタリア代表のレオナルド・スピナッツォーラは初戦から素晴らしい攻め上がりで左サイドの攻撃を活性化。デンマーク代表のヨアキム・メーレも本職は右ながら、左サイドで出場して決定的なクロスを何度も供給しただけでなく、自ら2ゴールを奪い、印象的なパフォーマンスを披露した。

 ただ、個人的にはショーの方が上回っていたと思う。守備では対人戦、カバーリングともに質の高いプレーを披露し、攻撃でも能力の高さを発揮。2ボランチが守備的でビルドアップで詰まるシーンが多いなか、正確な縦パスや持ち上がりで何度も状況を打開した。また精度の高いクロスで3アシストを記録しただけでなく、決勝では開始2分にパーフェクトなボレーで先制点も記録している。攻守ともに質が高い完成されたSBであることを全世界にアピールした。
 
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