では、風間監督のもとで具体的に何を学んだのか。それがボールを扱う技術の概念だ。止める・蹴る・受ける・運ぶ、サッカーに必要な絶対的な技術――。自身の考えを180度変えるほどの衝撃があった。
「ボールを扱う技術がまるで違った。個人のクオリティが高いというのは、どういうものなのか。本当のサッカーというものは、こういうものだと教えてもらいました。(キャプテン翼に由来する)南葛SCにもつながるのですが、『ボールは友達』なんです。ボールは自分の言うことを聞くはずなのに、いつのまにかそうでなくなっている。ボールが言うことを聞くようにするためには、自分が上手くなるしかない。風間さんと出会って、サッカーの技術への考え方は大きく変わりました」
2019年シーズン途中に風間氏が退任するまでの約2年半。島岡にとって、大きな意味を持つ時間だった。
「トップでもユースでもサッカーを見させていただいけど、技術に対しての要求に限界はない。技術には限界がないし、磨けば磨くほど変わる」
19年の10月からU-18のコーチとなり、同年限りで名古屋を退団。だが、ここで学んだ考え方は島岡の脳裏に深く刻まれた。そして、再び新たな挑戦に挑むわけだが、なぜ南葛SCの指揮官に就任したのか。そこには教え子が繋いだ縁があった。(文中敬称略)
※第2回に続く。次回は1月31日(金)に掲載予定です。
取材・文●松尾祐希(フリーライター)
Supported by KLabGames
