2002年日韓W杯前と同じ現象が!
そして、今後が注目のルーキーが、鹿島アントラーズの19歳のMF、安部裕葵だ。
U-19アジア選手権に参加し、U-20W杯出場に大きく貢献。安部がいるチームといないチームでは、雲泥の差があった。基本的技術の高さだけでなく、ドリブルからシュートにかかるプレーには、凄みが感じられる。すでに、アジア王者の鹿島で準レギュラー、現Jリーグで最高の大器と言える。
U-19アジア選手権に参加し、U-20W杯出場に大きく貢献。安部がいるチームといないチームでは、雲泥の差があった。基本的技術の高さだけでなく、ドリブルからシュートにかかるプレーには、凄みが感じられる。すでに、アジア王者の鹿島で準レギュラー、現Jリーグで最高の大器と言える。
台頭した若手には、時代をアップデートする勢いがある。
ではなぜ、これだけのタレントが一斉に頭角を現わしつつあるのか?
その理由は、一概に言えない。しかし、2020年に東京五輪があることは、ルーキーたちにとってひとつの指標になっている。自国開催の五輪出場は、大きな栄誉だろう。
無論、五輪サッカーは、ワールドカップとは比べて世界的には関心も乏しく、年齢制限のある大会。すでにプロ選手として活躍している彼らのなかには、海外移籍を視野に入れている者もいるし、誰もがそこに向かっているわけではない。しかし、このタイミングで五輪に出られる、というのは大きなモチベーションだ。
かつて、2002年に日韓W杯が開催されることになった時、やはり現場での士気は高まった。才能ある選手が切磋琢磨し、一時代を築いている。これに似たような現象が起こっているのだ。
2019年、若手の成長は、今後の日本サッカーを動かすことになる。
文:小宮 良之
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月には『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たした。