【浦和】必然の大ブーイング。小林祐希に「逃げていた」とまで言われ、悔しくないか?

カテゴリ:Jリーグ

塚越 始(サッカーダイジェスト)

2016年03月08日

「(磐田の)守備が上手くいっていたというより……、相手が逃げてくれているようだった」

磐田の小林は、巧みなボディバランスから繰り出した完璧なラストパスでジェイの決勝点をお膳立て。浦和の守備には「逃げていた」印象を持ったという。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 小林は次のように振り返った。

「僕らが嫌がるようなスペースに入り込まれることが、ほとんどなかった。阿部選手と柏木選手の2ボランチが真ん中から上がってこようとしていた時は、怖さがあった。でもシャドーなど他の選手は基本的に、横に、横にというだけだった。(磐田の)守備が上手くいっていたというより……、相手が逃げてくれていたようだった。だから、そのふたり(柏木と阿部の動き)を消しておけば、あとは大丈夫だった」
 
 浦和が勝手に逃げていた――。小林が言うには、浦和の「横に逃げる」ような攻撃にむしろ、助けられたというのだ。
 
 もちろん浦和の選手たちも、そのあたりの課題は把握している。連勝中に2試合連続ゴールを決めていた武藤は悔しさを噛み締め、次のように言った。
 
「自分たちの取り組んできた素早い攻守の切り替えが遅れてしまい、カウンターを食らってしまった。こうした苦しい試合でこそ点を取ってチームを助けたかったが……結果を残せず力不足だと感じている。負けてはいけない一戦だっただけに悔しいし、このミスを全員で取り返さなければならない」
 
 武藤らしいボールを持てばまず縦に仕掛けるという、前を向いたプレーは限られた。77分での交代に、「自分から得点の匂いが感じられなかったからだと思う」と語った。
 
 シャドーでフル出場した興梠も、自らのポジション取りについて、「結果的に、もっと前に張り出すべきだった」と反省した。
 
「前に張ってもパスが入ってこなかったので、少し引いて、組み立てから攻撃に加わろうとした。でも、その分、今度は前に行く力を出せなかった。結果的には、もっと前に張り出してプレーすべきだったと感じた」
 
 ズラタンと興梠の同時起用は、昨季から取り組んできた大きなテーマのひとつである。しかし、なかなか機能せずにいる。興梠がシャドーに下がると、敵陣の空いたスペースを巧みに突いて起点になるという、最大の武器を発揮できなくなるのだ。
 
 怪我から復活した石原、ミシャスタイルにフィットしてきた高木、新加入の駒井など、武器が異なる個性的なアタッカーは他にもたくさんいる。ただ、結局のところ数は揃っていても、重要な「柱」が定まっていないため、現状では、ハイプレッシャーから相手のミスを突く形に頼っているのが現状だ。
 
 例えば昨季広島のドウグラスが爆発したように、ズラタンのシャドー起用も一案かもしれない。いずれにせよ、新たな可能性を探る前線のメンバーのシャッフルは、もうしばらく続きそうだ。
 
 一方で、気になったのが、槙野のコメントである。
 
「失点したことよりも、点を取り切れなかったことが課題。勝ち切る力を付けていかないといけない」
 
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