恩師・田野監督が試合後に送ったメッセージとは?
ただ、先制した3分後のシュートは、“予想通り”だったという。ゴール正面で南野拓実のスルーパスを受けた鈴木は、フリーながらも芯でボールを捉えられずゴール右に外したのだ。
「完全にダフッていましたよね。コースを狙ったんだろうけど、『えっ!?』みたいな。せめてポストに当たれば惜しいとなりましたが、(ゴールから)1メートルぐらい外れていましたからね。あれを決めていたら(スポーツ新聞の)一面でしたよ」
「でも、仕方がない部分もあります」と田野監督は冷静に話す。
「桐生一高に入ってきた頃はごく普通の選手でした。トップ下を希望していてヘディングも好きそうではなかった。でも、今ではちゃんと競っている。なにもかも求めては酷です。なにしろ、昔の彼は『敵の背後をとる以外のプレーは平凡でしたから』(笑)。
今だから言えますけど、高校卒業時と同じ状態なら継続して世代別の代表に呼ばれることはなかったと思っていました。でも、こうしてオリンピックの出場権を争う舞台に立っている。一つひとつ成長している点は、凄いです」
今回のリオ五輪最終予選では、田野監督が鈴木の成長を感じたプレーがもうひとつあった。それは、タイとのグループリーグ第2戦で決めた先制弾だ。
「武蔵は最終予選が始まる前にゴールをいくつか決めていました。でも、チームの2点目とか3点目とか、そこまで影響を与えるものではありませんでした。しかも、相手は日本の格下でしたからね。ハットトリックを達成した試合もあったとはいえ、どこか印象が薄かった。勝負どころでのゴールがなかったんです。その点で、タイ戦の先制点は大きかった。これでまた武蔵は伸びると思いました」
確かに、あのゴールは大きかった。北朝鮮とのグループリーグ初戦、日本は予想以上に苦戦した。「こんなパフォーマンスで五輪の出場権は獲得できるのか」という不安もあるなか、続くタイ戦で叩き込んだ鈴木の先制弾は、結果的に良い流れを作るという意味でも意義があった。
国と国とのプライドがぶつかり合う最終予選、しびれるような舞台でタイやイラクを相手に目に見える結果を残した。だから、田野監督は鈴木を「誇りに思う」。
「試合後、『誇りに思うよ』というメッセージを送りました。普段そういうことはあまりしませんが、さすがにオリンピック出場を決めた試合ですからね。うち(桐生一高)の後輩たちにも刺激になるし、本当に誇りに思います」
しかし、喜んでばかりもいられないだろう。田野監督は少し声のトーンを下げてこう言った。「大迫(勇也)くんの例が頭をよぎる」と。
「完全にダフッていましたよね。コースを狙ったんだろうけど、『えっ!?』みたいな。せめてポストに当たれば惜しいとなりましたが、(ゴールから)1メートルぐらい外れていましたからね。あれを決めていたら(スポーツ新聞の)一面でしたよ」
「でも、仕方がない部分もあります」と田野監督は冷静に話す。
「桐生一高に入ってきた頃はごく普通の選手でした。トップ下を希望していてヘディングも好きそうではなかった。でも、今ではちゃんと競っている。なにもかも求めては酷です。なにしろ、昔の彼は『敵の背後をとる以外のプレーは平凡でしたから』(笑)。
今だから言えますけど、高校卒業時と同じ状態なら継続して世代別の代表に呼ばれることはなかったと思っていました。でも、こうしてオリンピックの出場権を争う舞台に立っている。一つひとつ成長している点は、凄いです」
今回のリオ五輪最終予選では、田野監督が鈴木の成長を感じたプレーがもうひとつあった。それは、タイとのグループリーグ第2戦で決めた先制弾だ。
「武蔵は最終予選が始まる前にゴールをいくつか決めていました。でも、チームの2点目とか3点目とか、そこまで影響を与えるものではありませんでした。しかも、相手は日本の格下でしたからね。ハットトリックを達成した試合もあったとはいえ、どこか印象が薄かった。勝負どころでのゴールがなかったんです。その点で、タイ戦の先制点は大きかった。これでまた武蔵は伸びると思いました」
確かに、あのゴールは大きかった。北朝鮮とのグループリーグ初戦、日本は予想以上に苦戦した。「こんなパフォーマンスで五輪の出場権は獲得できるのか」という不安もあるなか、続くタイ戦で叩き込んだ鈴木の先制弾は、結果的に良い流れを作るという意味でも意義があった。
国と国とのプライドがぶつかり合う最終予選、しびれるような舞台でタイやイラクを相手に目に見える結果を残した。だから、田野監督は鈴木を「誇りに思う」。
「試合後、『誇りに思うよ』というメッセージを送りました。普段そういうことはあまりしませんが、さすがにオリンピック出場を決めた試合ですからね。うち(桐生一高)の後輩たちにも刺激になるし、本当に誇りに思います」
しかし、喜んでばかりもいられないだろう。田野監督は少し声のトーンを下げてこう言った。「大迫(勇也)くんの例が頭をよぎる」と。