Jリーグの覇者を決するチャンピオンシップとともに、あるいはそれ以上の注目を集めることもあるのがJ１昇格プレーオフである。
 
　2012年より始まったこの戦いは、J１ライセンスを持つチームに限って、３位から６位までのチームが参加。準決勝は順位のタスキ掛けでカードが組まれ（３位対６位と４位対５位）、各カード上位チームの本拠地で開催される。
 
　この一発勝負で勝てばもちろん、上位チームは引き分けでも決勝戦進出という圧倒的有利な状況にあるが、過去５試合の準決勝のうち、上位チームが勝ったのは２試合だけである。
 
　決勝戦でも、90分で引き分けの場合は上位チームの勝利となるが、こちらに至っては上位チームの勝率は０パーセント。上位チームが常に苦しむのが、このJ１昇格プレーオフなのである。
 
　巷では、３位チームは勝てないという「３位の呪い」のジンクスが広まっているが、過去３年間では参加チームの間に実力差（勝点差など数字も含め）はほとんどなく、また有利なルールが上位チームにより強いプレッシャーを与えていたことなど、その原因は色々と挙げられる。
 
　３位チームというよりも、３年連続で色々な順位から参加しながら、いずれも敗退を喫した千葉こそ、このプレーオフに対して“呪い”を感じてしまったのではないだろうか。そんな彼らは今季９位に沈み、出場権すら得られなかった。
 
　今回は長崎を除けば、福岡、セレッソ大阪、愛媛FCという初参加チームばかりだが、過去３年で出来上がったジンクスが今回も効力を発揮するのか、あるいは全て打ち崩されるのかにも。少なからず注目が集まるだろう。

【PHOTO】トップリーグ昇格の軌跡（1993～2014）

【PHOTO】2014J１昇格プレーオフ決勝 山形 １-０ 千葉

◎J１昇格プレーオフ
◇2012年
J２・３位：京都
J２・４位：横浜FC
J２・５位：ジェフ千葉
J２・６位：大分トリニータ
準決勝
京都 ０-４ 大分
横浜FC ０-４ 千葉
決勝
大分 １-０ 千葉
J１昇格：大分
 
◇2013年
J２・３位：京都
J２・４位：徳島ヴォルティス
J２・５位：千葉
J２・６位：V・ファーレン長崎
準決勝
京都 ０-０ 長崎
徳島 １-１ 千葉
決勝
京都 ０-２ 徳島
J１昇格：徳島
 
◇2014年
J１・３位：千葉
J１・４位：磐田
J１・６位：モンテディオ山形
※３位はJ１ライセンスのないギラヴァンツ北九州
準決勝
磐田 １-２ 山形
決勝
千葉 ０-１ 山形
J１昇格：山形