レジェンドの軌跡 THE LEGEND STORY――第14回・ドログバ(コリンチャンス/元コートジボワール代表)

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サッカーダイジェストWeb編集部

2017年01月19日

絶体絶命の状態からチェルシーを救い、欧州制覇に導いた英雄。

チェルシーでは前線の守備など、多くの役割を要求されて悩んだりもしたが、これらを完遂して信頼を高めた。CLでは「アフリカ人の最多得点者」となるなど、多くの記録を作った。 (C) Getty Images

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 本誌ワールドサッカーダイジェストと大人気サッカーアプリゲーム・ポケサカとのコラボで毎月お送りしている「レジェンドの言魂」では、サッカー史を彩った偉大なるスーパースターが、自身の栄光に満ちたキャリアを回想しながら、現在のサッカー界にも貴重なアドバイスと激励を送っている。
 
 さて、今回サッカーダイジェストWebに登場するのは、アフリカ出身者ならではのパワーと身体能力、幼い頃から過ごした欧州で身に付けたインテリジェンスと戦術理解度をフルに活かし、世界を代表するストライカーとして一時代を築いたディディエ・ドログバだ。
 
 母国コートジボワールではサッカー選手の枠を超えた影響力を誇り、関わった全ての人からその人間性の高さを評価された偉人の軌跡を、ここで振り返ってみよう。
 
――◇――◇――
 
 1978年3月11日、コートジボワールの当時の首都であり、同国最大の都市であるアビジャンで生を受けたディディエ・イブ・ドログバ・テビリーは5歳の時、サッカー選手だった叔父が住むフランスに渡った。
 
 しかし、間もなくしてホームシックでコートジボワールに戻り、91年までここで少年時代を過ごす。その間、彼はストリートサッカーで、ストライカーとしての技術を磨いていった。
 
 その後、両親とともに再びフランスに降り立ったドログバは、サッカーだけでなく勉学にも勤しんだ。ルマンで選手としてのキャリアをスタートさせたのは、この町で会計学を学ぶためでもあった。
 
 98年にプロデビューを果たしたこのチームでは、最初こそ怪我に苦しめられたが、日々、懸命にトレーニングに励んだことにより、彼は強靭な身体を作り上げ、この世界で頭角を現わすための大きな武器を手にしたのである。
 
 2001-02シーズン途中、ドログバは80万ポンドの移籍金でギャンガンへ移り、1部リーグ・デビューを果たす。ここでの2シーズン目には34試合に出場して17ゴール(キャリア初の2桁得点)を挙げ、国内でも注目を集める存在となった。
 
 そして03-04シーズン、名門マルセイユが彼を獲得。移籍金は2年前の4倍以上に増えていた。
 
 ここで彼は、国内リーグで35試合出場19得点の好成績を挙げてリーグ最優秀選手賞など数々の個人賞を手にした他、欧州カップ戦の舞台にも立ち、チャンピオンズ・リーグ(CL)とUEFAカップ(現ヨーロッパリーグ)で計16試合に出場して11ゴールを挙げる活躍ぶりを見せた。
 
 UEFAカップでは決勝まで進出。バレンシアに0-2で敗れてタイトル獲得はならなかったものの、得点王を獲得するなど、ドログバの価値はさらに上昇した。また、グループステージ3位に終わったCLでは、その後の彼のキャリアを大きく左右する、重要な出会いがあった。
 
 このシーズン、欧州制覇を果たすことになるポルトの監督だったジョゼ・モウリーニョは、グループステージで同組となったマルセイユを視察したが、そこでドログバのプレーに惚れ込み、自身のチームに迎えたいと強く願うようになったのだ。
 
 それは財力の乏しいポルトでは叶わなかったが、翌シーズン、チェルシーの監督に招聘されたモウリーニョは、真っ先にこのコートジボワール人ストライカーの獲得に着手。ドログバはわずか1年を過ごしたクラブに2400万ポンドの移籍金をもたらし、イングランドに旅立った。
 
 世界から集まった選りすぐりの実力者たちに囲まれ、信頼できる指揮官の下でプレーできる環境を手にしたドログバは、その力を初年度からいかんなく発揮。プレミアリーグ連覇に2桁ゴールで貢献し、3シーズン目には20得点に到達してリーグ得点王のタイトルも手にする。
 
 3度目のプレミア制覇を果たした09-10シーズンにも得点王となるが、自らが点を取るだけでなく、チェルシーではチャンスメイクでも貢献。実は得点王に先駆け、05-06シーズンにはアシスト王に輝いていた。
 
 チェルシーでは9シーズン(出戻り後も含む)で4度のプレミア、FAカップ優勝などを成し遂げたドログバだが、彼にとっても、クラブにとっても最も誇らしかったのは、11-12シーズンのCL優勝である。
 
 決勝の相手は強豪バイエルン。会場は……相手の本拠地、アリアンツ・アレーナだった。まさに究極のアウェー状態というハンデを背負ったチェルシーは、終盤の83分に先制を許してしまう。この絶体絶命の状況で、チームを救ったのがドログバだった。
 
 88分、CKでニアサイドに走り込んで頭で合わせ、鋭い身体のひねりで名手マヌエル・ノイアーの牙城を破ったのだ。そしてPK戦では5番手で登場し、決めれば勝利という場面で落ち着いてノイアーの逆を突き、欧州王座をチームにもたらした。
 
 4年前の決勝ではマンチェスター・ユナイテッドにPK戦で屈したチェルシーにとって、まさに待ち望んだ初の欧州制覇であり、最高殊勲者のドログバはクラブの英雄として、永遠に語り継がれる存在となったのである。
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