G大阪が鹿島に逆転勝利する可能性は「9.1パーセント」しかなかった。
鹿島に先制を許した時点で、G大阪が逆転できる可能性は「9.1パーセント」だった。その数字は、決して不可能ではないが、極めて難しいことを意味する。
ナビスコカップは1992年から2014年大会まで過去22回行なわれ、ホーム&アウェーで実施された97年大会を除くと、決勝の舞台で逆転劇が起きたのは2回。93年のV川崎と14年のG大阪のみだ。その統計から弾き出されたのが「9.1パーセント」である。
前回大会でG大阪は、0-2の劣勢から3点を決めて広島に逆転勝利しており、G大阪サポーターの脳裏には昨年の劇的な展開がよぎり、こう思ったに違いない。奇跡再び――と。しかし、サッカーの神様が今回用意したシナリオは『鹿島の圧勝劇』だった。
内容はスコア以上の完敗だ。12分には遠藤保仁が中村充孝のミドルシュートを頭で逸らし、40分には丹羽大輝がゴールライン手前でボールを掻き出したが、そのふたつの好プレーがなければもっと早くに先制点を献上していただろう。
遠藤が「鹿島が良かったのもあるけど、僕らが悪すぎたっていうのもある。試合の入りも良くなかったし、攻撃もちょっと単調になりがちでした。負けるべくして負けたと思う」と語れば、今野泰幸も「今日は本当に叩きのめされた。去年の夏以降、ここまでやられたっていうのはない。負けるべくして負けたのは久しぶり」と振り返る。
経験豊富なふたりが「負けるべくして負けた」と口を揃えるのだから、ピッチで感じた鹿島の強さは相当なものだったはずだ。
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