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「国家の恥」から「国家の英雄」へ―― 82年W杯得点王、パオロ・ロッシが辿った数奇な人生

カテゴリ:連載・コラム

加部 究

2020年12月12日

英雄に変貌したロッシ。類まれな人生を彼はどう総括するのだろうか

セリエAや欧州カップ戦が開催されたスタジアムでは、ロッシを追悼するセレモニーが行なわれた。(C) Getty Images

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 そこからのイタリアの足取りは見事なものだった。準決勝ではポーランド、決勝でも西ドイツを圧倒し、ロッシは3試合連続ゴールを決めて大会得点王に輝く。不振の戦犯としてメディアの集中攻撃を受けて来たストライカーは、結局このブラジル戦を経てイタリアに戦後初めての世界タイトルをもたらした英雄に変貌。ドラマでも描けそうもない百倍返しを実現してみせた。

 改めてロッシの選手生活を振り返ると、賛否紙一重のストライカー稼業の皮肉と、人が持つツキの容量について考えさせられる。きっとロッシはどん底で苦悩し続けて来た対価として、ケタ外れの幸運を手にした。そんな類稀な人生を、いったい彼はどう総括しているのだろうか。

 ジェットコースターから降りた今は、ようやく訪れた安寧を、ゆっくりと噛みしめていることだと思う。

文●加部 究(スポーツライター)
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