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「国家の恥」から「国家の英雄」へ―― 82年W杯得点王、パオロ・ロッシが辿った数奇な人生

カテゴリ:連載・コラム

加部 究

2020年12月12日

1次リーグ3試合はノーゴールに「私はもう終わってしまったのかもしれない…」

イタリアは82年W杯で3度目の優勝を達成。1次リーグでは3分けとスロースタートだったが、2次リーグ以降勝ち続けて頂点へ駆け上がった。(C) Getty Images

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 スペインへの出発前には「無様な戦いをするより大会を放棄しろ」と見出しが立ったという。「ロッシの出場停止処分が大会前に解けて本当に残念だ」との新聞報道もあり、「1次リーグを3分けに終わると露骨に負けを望む論調まで出た」(ロッシ)そうである。確かにロッシ自身は、ブランクの大きさを感じながら、それでもスタメンの座を与えられる重責に悩んでいた。

「私は感覚でゴールを奪うストライカー。その感覚が取り戻せない以上、もう終わってしまったのかもしれない……」

 スペイン大会は、1次リーグを突破した12ヵ国が3チームずつに分かれて準決勝の座を争う方式で行なわれた。ちなみに4年前のアルゼンチン大会のイタリアは、グループリーグで優勝した開催国も下して3戦全勝。それに対しスペイン大会は3分けなので、国内での期待が冷え込むのも無理はなかった。そして2次リーグ初戦でイタリアは前回優勝のアルゼンチンを下すが、ロッシ自身は4戦ノーゴールのまま80分に交代を告げられる。

「チームは勝ったが、私自身のプレーは酷いものだった。だからこれで私のワールドカップは終わったと思った」
 
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