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「国家の恥」から「国家の英雄」へ―― 82年W杯得点王、パオロ・ロッシが辿った数奇な人生

カテゴリ:連載・コラム

加部 究

2020年12月12日

運命のブラジル戦で「思ってもみなかった」スタメン起用。予想外の抜擢に…

1次リーグから2次リーグ初戦までゴールがなかったロッシだったが、ブラジル戦でハットトリックの大爆発。ここから快進撃が始まった。(C) Getty Images

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 いよいよ次の相手は、世界中が優勝を信じて疑わない黄金のカルテット(ジーコ、ファルカン、トニーニョ・セレゾ、ソクラテス)を擁すブラジル。そこまで4戦4勝の快進撃を続けていた。ベアルゾット監督自身も「この相手と10度戦えば9度は落とす。勝てるとすれば一度。でもその一度を今日にするんだ!」と送り出している。

 そんなベテラン監督は、やはりブラジル戦でもロッシをスタメンに起用した。ロッシにとっては予想外の抜擢。だが「思ってもみなかったことなので、そこで心に被さっていた蓋が外れたような気がした」という。

 こうしてロッシを「我が子のように信頼していた」というベアルゾット監督は大きな賭けに勝利し、ロッシもハットトリックの大爆発で応えてみせた。20世紀最大の番狂わせと言われた試合だが、イタリア側に取材をすれば「自信満々に相手を叩きのめす哲学とともに向かってきたブラジルの守備的な弱点を突く」綿密な準備が浮かび上がる。しかしどんなに守備面での対策が万全でも、エースストライカーの突然の覚醒がなければ、この結果は得られなかったに違いない。
 
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