「試合に出ていなければ、コンディションはかなり落ちてしまいます。さらにこの３か月は自粛していました。なので、再開後は今まで以上に彼らのパフォーマンスと出場機会に目を凝らさないといけませんし、旬の選手を選ぶ必要があります。なので、『能力的には期待しているけど、今日の出来だと仕方ない』と判断し、選出を諦めないといけない選手も結構な数で出てくるかもしれません。『あいつに期待しているんだよ』と言っている場合ではないんです。そこはシビアに見ないといけないですね」

　突然襲った新型コロナウイルスの猛威。難しいタスクだが、影山監督は下を向いていない。今まで以上に選手の視察を行いながら、チームを構築していくつもりだ。

「アンダーカテゴリーのワールドカップは、日本人が世界に飛び出して行くために通らなければいけない貴重な場です。現在は日本だけでなく、ほかの国も含めて大変ですが、私たちは最善の準備をし、最終予選を勝ち抜けてワールドカップの切符を掴むために努力をします。また、日本はトッププレーヤーだけを集めて継続的に活動するわけではないので、クラブから選手を選んで代表チームの活動を行なう強化方法の真価も問われる戦いになります。今はサッカー界全体で思うように活動できていませんが、時間がかかったとしても、サッカーができる環境は絶対に戻ってきます。それまではサッカーを思い切りやりたい気持ちを我慢するしかありませんが、感染予防を意識しながら、近い将来に戻ってくる日常を楽しみに待っていてほしいです。僕自身も早く選手を見に行きたいですし、早くキャンプを行ないたい。どこにどんな選手がいるかを知りたくて、うずうずしています。落ち着いたら、積極的にグラウンドへ足を運ぶので待っていてください」

　U-19アジア選手権まで残された期間は約５か月。影山監督はチームを世界の舞台に導くために、全身全霊を尽くす。

取材・文●松尾祐希（フリーライター）