宮本恒靖、葛藤と苦悩の111日間~ガンバ大阪はいかにしてV字回復を遂げたのか

カテゴリ:Jリーグ

川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)

2018年11月28日

大逆転負けの名古屋戦。指揮官はチームにどんな声を掛けたのか

8月は我慢と見極めの時期と捉えていたという。9月以降のラッシュを目ざして、日々良質なトレーニングを積み重ねていった。写真:川本学

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「あの夏の7試合は、ほとんど1か月で集中的に消化しなければならなかった。自分としては普段の練習と試合のなかで、選手の得意、不得意を見極めていた時期。試合が立て続けにあるなかでどう回していくのか、どう乗り切るべきかを考えていましたね。どうしても8月は連戦のため、トレーニングの量をセーブしなければいけない上に、春先から課題として見ていたフィジカルコンデションを上げる時間がない。これは大変やなと思いながらも、ウィジョがいないフロンターレ戦(9月1日/第25節)までの8試合は、耐える時間なんかなと。9月になったらトレーニングの量が増えて、試合も1週間に1回のペースになる。そうなれば戦術的なものとフィジカルのところにもっと踏み込める。当然、最後まで残留争いをする覚悟でいたんで、9月以降の巻き返しに向けたイメージを膨らませていました」

 名古屋戦の敗北は、ともすればシーズンを左右する分岐点となりかねなかった。宮本監督はどうチームに語りかけ、立て直しを図ったのだろうか?

「さすがにみんなショックな様子でしたけど、自分としては勝点3を獲れるなんてまだラッキーやくらいに思ってたんで、悲観はしてなかった。経験のある選手も若い選手もいたけど、『これ以上にしんどい経験を俺はしてるし、みんなだってそうやろ? 間違いないのは逃げたらアカンってこと。もう無理やとか、自分たちのサッカーに自信を失うのは良くない』と話しましたね。2点を取れてる良さを活かして、なぜ3失点目を許してしまったのかをコーチングスタッフとしっかり分析する。次に繋げることができたと思います」

 
 補佐する山口智コーチと松代直樹GKコーチは、現役時代からの僚友でありほぼ同世代。勝手知ったる間柄で、昨年も1年間、U-23チームで信頼を深めた。宮本は「J3では戦力的に不均衡ななかでも結果を出そうと、一緒になっていろいろ対策を考えた。ユース選手をスタメンで7人使わざるを得ない試合もありましたから」と明かし、「そうしたなかで得た経験は間違いなくいま、活きていると思う。サトシと松代さんとはサッカー観が似ているから、やっぱり問題と感じる部分が合致する」と言う。
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