アンチェロッティ招聘を目論むが…。
とはいえもちろん、このまま何もせずにこれまでの路線を続けていくことはさすがに不可能だ。いまタベッキオが目論んでいるのは、マスコミと世論を含めて誰もが納得するような大物を代表監督に招聘して批判を和らげ、目先をしのいで自らの立場を守ることだ。
その候補として交渉しているのが、9月にバイエルンを解任されてフリーになったカルロ・アンチェロッティだ。他にはアントニオ・コンテ(チェルシー)、ロベルト・マンチーニ(ゼニト)、クラウディオ・ラニエリ(ナント)、マッシミリアーノ・アッレグリ(ユベントス)などの名前も挙がっているが、いずれもクラブとの契約下にあり招聘は難しい。
現時点における希望は2つ。ひとつは、アンチェロッティが強い立場を活かして、代表の強化に繋がる大きな変革への取り組みを就任受諾の条件として突きつけること。もうひとつは、アンチェロッティも含めて世論を納得させられる代表監督を招聘できないまま混乱が深まってタベッキオの立場が悪くなり、支持を失うか辞任に追い込まれることだ。
いずれにしても、サッカー界を統括するFIGCが自ら大きな変革に取り組まない限り、イタリア代表にもイタリア・サッカーそのものにも明るい未来はない。変革に取り組んだとしても、成果が出るまでには5年、10年という歳月がかかるだろう。しかしそれをしなければ、待っているのはさらなる低迷と衰退への道である。
文:片野道郎
【検証】イタリアはなぜ世界王者から予選敗退まで凋落した? 前編:無策すぎたプレーオフ
【著者プロフィール】
1962年生まれ、宮城県仙台市出身。1995年からイタリア北部のアレッサンドリアに在住し、翻訳家兼ジャーナリストとして精力的に活動中だ。カルチョを文化として捉え、その営みを巡ってのフィールドワークを継続発展させている。『ワールドサッカーダイジェスト』誌では現役監督とのコラボレーションによる戦術解説や選手分析が好評を博す。ジョバンニ・ビオ氏との共著『元ACミラン専門コーチのセットプレー最先端理論』が2017年2月に刊行された。
その候補として交渉しているのが、9月にバイエルンを解任されてフリーになったカルロ・アンチェロッティだ。他にはアントニオ・コンテ(チェルシー)、ロベルト・マンチーニ(ゼニト)、クラウディオ・ラニエリ(ナント)、マッシミリアーノ・アッレグリ(ユベントス)などの名前も挙がっているが、いずれもクラブとの契約下にあり招聘は難しい。
現時点における希望は2つ。ひとつは、アンチェロッティが強い立場を活かして、代表の強化に繋がる大きな変革への取り組みを就任受諾の条件として突きつけること。もうひとつは、アンチェロッティも含めて世論を納得させられる代表監督を招聘できないまま混乱が深まってタベッキオの立場が悪くなり、支持を失うか辞任に追い込まれることだ。
いずれにしても、サッカー界を統括するFIGCが自ら大きな変革に取り組まない限り、イタリア代表にもイタリア・サッカーそのものにも明るい未来はない。変革に取り組んだとしても、成果が出るまでには5年、10年という歳月がかかるだろう。しかしそれをしなければ、待っているのはさらなる低迷と衰退への道である。
文:片野道郎
【検証】イタリアはなぜ世界王者から予選敗退まで凋落した? 前編:無策すぎたプレーオフ
【著者プロフィール】
1962年生まれ、宮城県仙台市出身。1995年からイタリア北部のアレッサンドリアに在住し、翻訳家兼ジャーナリストとして精力的に活動中だ。カルチョを文化として捉え、その営みを巡ってのフィールドワークを継続発展させている。『ワールドサッカーダイジェスト』誌では現役監督とのコラボレーションによる戦術解説や選手分析が好評を博す。ジョバンニ・ビオ氏との共著『元ACミラン専門コーチのセットプレー最先端理論』が2017年2月に刊行された。