成功確率が高いのは「紹介営業」

過去5年で4度のリーグ制覇。地域に愛され、ピッチ内外で成功を収めつつあるフロンターレは、Jリーグの“リーディングクラブ”として特別な存在となっている。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)
2050年から逆算すると、段階的にクリアしておかなければならない4つのマイルストーンが浮かび上がる。
1、日本代表がワールドカップで優勝できたのは、この国でもサッカーが圧倒的な人気スポーツとなっていたからだ。
2、圧倒的な人気スポーツとなっていたのは、より多くの人がサッカーを人生に欠かせない自分事にしていたからだ。
3、より多くの人がサッカーを自分事にしていたのは、協賛企業も、貴重な時間やエネルギーを注ぎ込む人も、今よりはるかに増えていたからだ。
4、協賛企業も、貴重な時間やエネルギーを注ぎ込む人もはるかに増えていたのは、全国各地のプロクラブが戦略的にそうなる仕掛けを施していたからだ。
時系列では、今から4→3→2→1と積み上げていかなければならない。
1、日本代表がワールドカップで優勝できたのは、この国でもサッカーが圧倒的な人気スポーツとなっていたからだ。
2、圧倒的な人気スポーツとなっていたのは、より多くの人がサッカーを人生に欠かせない自分事にしていたからだ。
3、より多くの人がサッカーを自分事にしていたのは、協賛企業も、貴重な時間やエネルギーを注ぎ込む人も、今よりはるかに増えていたからだ。
4、協賛企業も、貴重な時間やエネルギーを注ぎ込む人もはるかに増えていたのは、全国各地のプロクラブが戦略的にそうなる仕掛けを施していたからだ。
時系列では、今から4→3→2→1と積み上げていかなければならない。
ワールドカップで日本の前に立ちはだかるのは、優勝歴のある列強であり、ヨーロッパや南米などの強国だ。ピッチ上ではフットボールの質を高めていく。ピッチ外ではビジネスの質を高めていく必要がある。事業規模を欧州のトップクラブと比較すると、フロンターレですら10分の1にも達していないのが2022年の紛れもない実情なのだ。
「人が集まらない限り、スポンサーは増えません。お金があるからといって、必ずしもチームが強くなるわけではないですが、相関関係を検証してみると、強化費の多いクラブはやっぱり優勝しています。ピッチ外の事業でサッカー界を支えて、発展させていく。それも大切だと思います」
2050年まで残り28年――。井川はひょっとしたらとイメージしている。フロンターレのこれまでの試行錯誤を広くシェアしていけば、日本サッカー界全体の成長速度をいくらかでも速められるかもしれないと。
「間違いもたくさんしてきました。それも含めてヒントになったらいいなって」
井川が2021年まで営業部長を務めてきたフロンターレのセールスを紐解くと、成功確率が高いのはやはり「紹介営業」だ。前述した2007年の非常に大きな成功事例も、協賛を決めてくれた企業の社長を、その社長の大学時代の後輩で、すでにフロンターレと取引していた経営者が紹介してくれた。
「徹底して探すのは、決裁権を持つ企業のトップを紹介してくれる人です。フロンターレを好意的に紹介してくれる人かどうかも、すごく重要です」
サポーターやボランティアの絶対数が増えた近年は、企業とフロンターレを結ぶパイプが増え、なおかつ太くなってきた。等々力のGゾーン(ゴール裏スタンド)で一緒に応援している人が、協賛に興味を持っている会社の社長だよ、などと喜び勇んで教えてくれる。
セールスの際には「温かくて、面白い」というクラブ独自の特長が大きなフックとなる。陣容が年々入れ替わるプロサッカーの世界で、チームの強さや成績をコントロールするのは難しい。グローバルな移籍市場で人材を引き抜かれる側のJクラブではなおさらだ。その点、スタジアムの温かな雰囲気や、サッカーに興味のない人を惹き付ける楽しい仕掛けであれば、集客の安定した価値にできる。
「東京ディズニーリゾートやUSJと同じです。パークに足を踏み入れた瞬間にワクワクドキドキして、アトラクションの待ち時間すら楽しくて、そこにいるだけで温かい気持ちになっている。作ろうとしているのは、そういう空間です。どんな商売かと言えば、ライブエンターテインメントビジネスだと思っています」
【沖縄キャンプPHOTO】背番号を14に変更!並々ならぬ覚悟で新シーズンに挑む脇坂泰斗を特集!
「人が集まらない限り、スポンサーは増えません。お金があるからといって、必ずしもチームが強くなるわけではないですが、相関関係を検証してみると、強化費の多いクラブはやっぱり優勝しています。ピッチ外の事業でサッカー界を支えて、発展させていく。それも大切だと思います」
2050年まで残り28年――。井川はひょっとしたらとイメージしている。フロンターレのこれまでの試行錯誤を広くシェアしていけば、日本サッカー界全体の成長速度をいくらかでも速められるかもしれないと。
「間違いもたくさんしてきました。それも含めてヒントになったらいいなって」
井川が2021年まで営業部長を務めてきたフロンターレのセールスを紐解くと、成功確率が高いのはやはり「紹介営業」だ。前述した2007年の非常に大きな成功事例も、協賛を決めてくれた企業の社長を、その社長の大学時代の後輩で、すでにフロンターレと取引していた経営者が紹介してくれた。
「徹底して探すのは、決裁権を持つ企業のトップを紹介してくれる人です。フロンターレを好意的に紹介してくれる人かどうかも、すごく重要です」
サポーターやボランティアの絶対数が増えた近年は、企業とフロンターレを結ぶパイプが増え、なおかつ太くなってきた。等々力のGゾーン(ゴール裏スタンド)で一緒に応援している人が、協賛に興味を持っている会社の社長だよ、などと喜び勇んで教えてくれる。
セールスの際には「温かくて、面白い」というクラブ独自の特長が大きなフックとなる。陣容が年々入れ替わるプロサッカーの世界で、チームの強さや成績をコントロールするのは難しい。グローバルな移籍市場で人材を引き抜かれる側のJクラブではなおさらだ。その点、スタジアムの温かな雰囲気や、サッカーに興味のない人を惹き付ける楽しい仕掛けであれば、集客の安定した価値にできる。
「東京ディズニーリゾートやUSJと同じです。パークに足を踏み入れた瞬間にワクワクドキドキして、アトラクションの待ち時間すら楽しくて、そこにいるだけで温かい気持ちになっている。作ろうとしているのは、そういう空間です。どんな商売かと言えば、ライブエンターテインメントビジネスだと思っています」
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