自己破産から15年…サッカーシューズの名門はいかにして甦ったのか? 喜びの声から生まれたビジョンとは――

カテゴリ:特集

手嶋真彦

2020年09月12日

サッカーダイジェスト連載『マイノリティレポート』第32回 株式会社YASUDA(代表取締役/佐藤和博) フットサル場でのなにげない会話がきっかけだった

代表取締役の佐藤。最新モデルには木型(写真手前左)と金型を一新するなど大幅な改良を施している。

画像を見る

 クラウドファンディングで支援者を募り、2018年に復活を遂げたサッカーシューズの名門ブランド「ヤスダ」。看板をYASUDAに変え、伝統を守りながら、新たなステージを見据えている。自己破産によって、一度は消滅した国内ブランドは、いかにして甦ったのか。そして、ユーザーの喜びの声から生まれたビジョンとは――。

――◆――◆――

「君はホントに、なんにも、知らないんだねぇ」

 初対面のその場で無知を指摘されても、反論できる余地はどこにもなかった。サッカーシューズがどうやって作られているのか、たしかに言われたとおり、佐藤和博はなにひとつ知らなかったのだ。

 でも、知らなかったから、すぐ行動に移せたのかもしれない。学生時代に愛用していたスパイクの国産メーカーが、実は15年前の2002年に自己破産していた。週末に仲間で集まるフットサルの合間の、友人とのなにげない会話をきっかけに、スマホの検索で破産の事実を知った佐藤は、埼玉県戸田市内のフットサル場から、東京都内の自宅に戻る車のなかで、履き心地が格別だった「ヤスダ」のサッカーシューズをもう一度履いてみたい、どこにもないなら自分で復活させようと、あっという間に決めていた。

 その日のうちに商標権の持ち主を調べ、思いを綴った手紙をすぐに送った。折り返し電話がかかってきたとき、ヤスダの破産を知った土曜日から、まだ数日しか経っていなかった。

 商標権を持っていた齋藤圭太はヤスダの元社員で、ヤスダが作っていたスパイクの熱烈なファンだった。ヤスダの倒産後は創業家から商標を譲り受け、大切な宝物のように守りつづけていたのだった。

 クラウドファンディングでヤスダのサッカーシューズを復活させ、「株式会社YASUDA」を立ち上げた佐藤の挑戦は、「君はホントに、なんにも、知らないんだねぇ」と齋藤にあきれられた、17年の秋に始まった。
 
【関連記事】
軽い方がいいけど、それだけじゃダメ。PUMAに見るサッカースパイク進化論
再動するYASUDA。終わらないYASUDA。
「上手過ぎて笑ってしまう」「永遠に見てられる」CL公式が公開したロナウジーニョのスーパープレー集にファン熱狂!
「やべっちF.C.に取り上げてもらうことが夢でした」放送終了に選手からも嘆きのメッセージ!「デジっちは…」

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト サッカーダイジェスト特別増刊
    1月8日発売
    2020 Jリーグ総集編
    J1&J2&J3全50チームの
    1年間の激闘を収録!
    完全保存版のデータブック
    詳細はこちら

  • 週刊サッカーダイジェスト サッカーダイジェスト特別増刊
    1月8日発売
    【引退記念号】
    中村憲剛
    充実のコンテンツ
    特製ポスター付き!
    詳細はこちら

  • 週刊サッカーダイジェスト 1月14日号
    1月14日発売
    引退記念企画
    中村憲剛を大特集!
    J1&J2全42クラブの
    最新陣容を探る!
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト ワールドサッカーダイジェスト
    1月7日発売
    代表チーム別
    レジェンド完全格付け
    海外番記者・識者が
    TOP10を選定!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVol.31
    12月8日発売
    今年も決定版が完成!
    第99回高校選手権
    選手権名鑑
    男子出場全48チームを網羅!
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ