オンラインで4つのゲームを行う認知診断テストで選手の将来性を把握する
これまで“なんとなく”で評価するしかなかったサッカーIQを可視化する。そのことで個々の脳、そして心に宿る強みと弱みを把握し、適切なトレーニングによって成長を促す。
NeurOlympicsは2013年から2020年に至るまで、主に育成世代の選手を対象として延べ9000回のテストを実施しデータを蓄積してきた。結果、高得点を記録した選手はその後、中間点だった選手に比べ3.5倍、低得点だった選手に比べ9.1倍の市場価値になったという。
NeurOlympics自体はパソコンまたはタブレットでできる、至って簡単なオンラインでの認知診断テストだ。単純なルールのゲームを4つするだけ。測定時間は約45分。しかし、ゲームは単純といえど、認知神経科学と臨床パフォーマンステストに基づいて、それぞれ「作業記憶」「予測」「制御」「注意」を測る目的で作成されているので、頭がとても疲れる構成になっている。
テストが終わればすぐに結果が出る。総合スコアは0~100で表示。0だからといって人より劣っているわけではない。0は「100人いれば100人できるレベル」、逆に100は「100人に1人のレベル」ということになる。
ここからさらに、サッカーIQをつかさどる9つの重要な項目に細分化され、それぞれのスコアも出される。具体的に示すと「反応の速さ」「行動の早さ」「全体の把握」「内省」「回復力」「繊細な知覚力」「フィルタリング」「先読み」「衝動制御」といった具合だ。より細かな要素まで可視化することで、選手個々の特徴が一目で把握できる仕組みになっているのだ。
NeurOlympicsを日本にもたらした株式会社共同通信デジタルスポーツデータ事業部の前田祐樹氏は、自身データ分析を専門とした企業で働き、ラグビーやバスケットのチームでアナリストをしてきた経歴の持ち主。数多存在するスポーツテクノロジーにも詳しい。だから、日本の、特に全世界と渡り合うサッカーの育成分野に着目した。
「優秀な選手を育成するにあたり、これまではフィジカルやテクニックで評価されがちでしたが、世界のサッカーの最前線ではIQに着目している事実がまずあります。そして実際に結果を出してきている。日本でも今後、世界で活躍する選手を輩出し、さらに国内リーグのレベルアップを図るには、育成段階から選手の認知・判断・実行の能力も正確に認識していかないと世界との差が開いていってしまう危機感を抱いています。一般に人間の脳が熟成するのは18歳前後と言われています。つまり、サッカーIQを可視化することは将来性を可視化するということ。現実としてスポーツテクノロジーはここまで進化していることを自分事化できるか。これが、今後の日本サッカーの育成分野におけるひとつのポイントになるのではないでしょうか」
NeurOlympicsは2013年から2020年に至るまで、主に育成世代の選手を対象として延べ9000回のテストを実施しデータを蓄積してきた。結果、高得点を記録した選手はその後、中間点だった選手に比べ3.5倍、低得点だった選手に比べ9.1倍の市場価値になったという。
NeurOlympics自体はパソコンまたはタブレットでできる、至って簡単なオンラインでの認知診断テストだ。単純なルールのゲームを4つするだけ。測定時間は約45分。しかし、ゲームは単純といえど、認知神経科学と臨床パフォーマンステストに基づいて、それぞれ「作業記憶」「予測」「制御」「注意」を測る目的で作成されているので、頭がとても疲れる構成になっている。
テストが終わればすぐに結果が出る。総合スコアは0~100で表示。0だからといって人より劣っているわけではない。0は「100人いれば100人できるレベル」、逆に100は「100人に1人のレベル」ということになる。
ここからさらに、サッカーIQをつかさどる9つの重要な項目に細分化され、それぞれのスコアも出される。具体的に示すと「反応の速さ」「行動の早さ」「全体の把握」「内省」「回復力」「繊細な知覚力」「フィルタリング」「先読み」「衝動制御」といった具合だ。より細かな要素まで可視化することで、選手個々の特徴が一目で把握できる仕組みになっているのだ。
NeurOlympicsを日本にもたらした株式会社共同通信デジタルスポーツデータ事業部の前田祐樹氏は、自身データ分析を専門とした企業で働き、ラグビーやバスケットのチームでアナリストをしてきた経歴の持ち主。数多存在するスポーツテクノロジーにも詳しい。だから、日本の、特に全世界と渡り合うサッカーの育成分野に着目した。
「優秀な選手を育成するにあたり、これまではフィジカルやテクニックで評価されがちでしたが、世界のサッカーの最前線ではIQに着目している事実がまずあります。そして実際に結果を出してきている。日本でも今後、世界で活躍する選手を輩出し、さらに国内リーグのレベルアップを図るには、育成段階から選手の認知・判断・実行の能力も正確に認識していかないと世界との差が開いていってしまう危機感を抱いています。一般に人間の脳が熟成するのは18歳前後と言われています。つまり、サッカーIQを可視化することは将来性を可視化するということ。現実としてスポーツテクノロジーはここまで進化していることを自分事化できるか。これが、今後の日本サッカーの育成分野におけるひとつのポイントになるのではないでしょうか」