海外再挑戦にはプレーレベルはもちろん、精神面の成長が不可欠になる。
とはいえ、ブンデスリーガに再挑戦する場合には、さらなるレベルアップが不可欠だ。 組織的なプレッシングのかけ方、攻守を素早く切り替えるスキル、的確なポジショニング。宇佐美はすべての分野で、プレーの精度をさらに高めていかなければならない。
日本の場合は、多少ポジショニングが悪くとも、ゲームに絡んでいくことができる。しかしドイツのサッカーは、はるかにペースが早く、敵のDFもスペースを瞬時に潰すことに長けているため、正しいタイミングで、正しいスペースに走り込む必要がある。ロッベンやリベリでさえ、単純なスピードで勝負しているわけではない。
そのうえで、ドリブルやシュートに加え、パスのクオリティも高めていく。より決定的なラストパスやより質の高いサイドチェンジを、よりスペースや時間が減った状況で供給することが求められる。
他に必要なのは、精神的に図太くなることだろうか。サッカー界はサバイバルの場だ。試合では、マッチアップしている敵を翻弄する必要もある。ドイツで結果を残している岡崎や内田は、物怖じせず容赦なく勝負に徹するという点で、とても頼もしくなった。
いずれにしても、宇佐美が再び海を渡り、なおかつ成功を収めれば、彼は日本人選手の新たなイメージを確立する存在になるだろう。
スピードに乗ってドリブルを仕掛けられる選手は、日本のサッカー界では極めて少ない。しかも宇佐美は、ゴールに向かってダイレクトに迫っていける。ハリルホジッチに期待を寄せられている所以だ。
むろん日本には、宇佐美以外にも、ポテンシャルを秘めた選手が数多くいる。宇佐美の姿は、そうした選手たちにとっても励みになる。
私も宇佐美の活躍に期待するひとりだ。同じタイプのドリブラー、そして日本サッカーに縁のある人間として、宇佐美がもう一度ドイツの土を踏みしめ、ドリブルを開始する瞬間が来るのを楽しみにしている。
取材・文:田邊雅之
■プロフィール
ピエール・リトバルスキー/ 1960年4月16日生まれ、ドイツ出身。選手として3度ワールドカップに出場(優勝1回、準優勝2回)。引退後は日本、ドイツ、オーストラリアなどで指揮官を務め、現在はヴォルフスブルクのスカウト部長としてドイツと日本を行き来し、選手の動静を見守る。
日本の場合は、多少ポジショニングが悪くとも、ゲームに絡んでいくことができる。しかしドイツのサッカーは、はるかにペースが早く、敵のDFもスペースを瞬時に潰すことに長けているため、正しいタイミングで、正しいスペースに走り込む必要がある。ロッベンやリベリでさえ、単純なスピードで勝負しているわけではない。
そのうえで、ドリブルやシュートに加え、パスのクオリティも高めていく。より決定的なラストパスやより質の高いサイドチェンジを、よりスペースや時間が減った状況で供給することが求められる。
他に必要なのは、精神的に図太くなることだろうか。サッカー界はサバイバルの場だ。試合では、マッチアップしている敵を翻弄する必要もある。ドイツで結果を残している岡崎や内田は、物怖じせず容赦なく勝負に徹するという点で、とても頼もしくなった。
いずれにしても、宇佐美が再び海を渡り、なおかつ成功を収めれば、彼は日本人選手の新たなイメージを確立する存在になるだろう。
スピードに乗ってドリブルを仕掛けられる選手は、日本のサッカー界では極めて少ない。しかも宇佐美は、ゴールに向かってダイレクトに迫っていける。ハリルホジッチに期待を寄せられている所以だ。
むろん日本には、宇佐美以外にも、ポテンシャルを秘めた選手が数多くいる。宇佐美の姿は、そうした選手たちにとっても励みになる。
私も宇佐美の活躍に期待するひとりだ。同じタイプのドリブラー、そして日本サッカーに縁のある人間として、宇佐美がもう一度ドイツの土を踏みしめ、ドリブルを開始する瞬間が来るのを楽しみにしている。
取材・文:田邊雅之
■プロフィール
ピエール・リトバルスキー/ 1960年4月16日生まれ、ドイツ出身。選手として3度ワールドカップに出場(優勝1回、準優勝2回)。引退後は日本、ドイツ、オーストラリアなどで指揮官を務め、現在はヴォルフスブルクのスカウト部長としてドイツと日本を行き来し、選手の動静を見守る。