【インタビュー】ヴァンサン・コンパニ「シティは必ずトップチームに返り咲くよ」

カテゴリ:メガクラブ

サイモン・マロック

2015年05月12日

このクラブの本質を多くの人がまだ理解していない。

ファンへの恩返し、地元コミュニティへの還元を常に考えているという。 (C) Getty Images

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――対照的に最近のCLでは、プレミア勢の失権さえ噂されている。現に今シーズンも、16強ですべて敗退してしまった。この点については?
 
「たしかに世間の人たちは、イングランドのサッカーが勢いを失ってきているとか、ヨーロッパの大会で結果を出せなくなってきているというようなことを話題にする。でもプレミアのクラブチームは、どこかの時点で必ず復調してくるさ。
 
 実際、過去10年間のCLでは、10回中7回もイングランドのクラブがファイナルに進んだわけだろう? 地元の優秀な選手を育成するという点では出遅れた部分もあるけど、プレミア勢はすぐにライバルチームに追いついてくるし、他の国をリードするようになると思う。世界のどの国よりも資金力があるからだ。
 
 もちろん育成には時間がかかるし、世界最高峰のリーグとしての地位を保つためには、育成に資金を費やしていかなければならない。その点でシティのアカデミーは、素晴らしい才能を持った人材を送り出すことになると思う。
 
 それが軌道に乗れば、マンチェスター・シティというクラブが発信しているメッセージそのものが、もっとはっきりしてくるんだ」
 
――とはいえ関係者の中には、シティはカネに飽かせて成功を手にしているに過ぎないと批判する人間もいる。
 
「いまのプレミアでは、どのチームがカネを使っているかという話題ばかりがあまりに論じられすぎていると思う。でもカネを使っているのは誰もが同じなんだ。
 
 例えばイングランドでは、チャンピオンシップ(2部)のチームでさえもが、ベルギーのトップクラブよりもカネを使っている形になるわけだからね。
 
 サッカー界には優秀な選手がごまんといるし、最高のチームを作ろうとするなら、やはりカネを使って最高の選手を揃えなければならないということになってしまう。理屈は単純なんだよ」
 
――ふんだんにカネを使っているのは、シティに限った現象ではないと?
 
「イングランドのトップクラブは、チームの大幅なテコ入れに着手している。ユナイテッド、シティしかり、チェルシーやアーセナル、リバプールもそうだ。当然、プレミアの戦いは、さらに厳しいものになっていくことになる。
 
 ただしシティに関して言うなら、ほとんどの人は、このクラブの本質をまだ理解していないと思う。大きな観点から物事を捉えていないんだ。
 
 シティを語る上で最も重要なのは資金力じゃない。カネを使うだけのクラブだったりしたなら、いずれクラブは傾いていってしまうことになる。
 
 むしろ僕たちはファンにどう恩返しをしていくか、地元のローカルコミュニティに何を還元していくかを重視してきたんだ。これから20年、あるいは30年と時間が経てば、カネの話題などは取り上げられなくなると思う。
 
 世間の人たちは地元で育ち、このクラブを象徴するような存在になった、マンチェスターの子供たちを話題にしているはずだよ」
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