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敵将の愚行で一瞬の隙→3か月前まで2部にいた“新参者”のファーストタッチが劇的決勝弾! ブラジル人記者が見た「南米一決定戦」【現地発】

カテゴリ:ワールド

リカルド・セティオン

2021年02月02日

順当ならクラブW杯で因縁のブラジル対ドイツが実現

財政難に喘ぐサントスをファイナルに導いたクカ監督だったが…。(C) Getty Images

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「この日、緑がブラジルを覆った」とあるラジオのコメンテーターはこう言っていた。パルメイラスが緑のユニホームだからだが、実は、この日優勝した緑色のチームはパルメイラスだけではない。シャペコエンセだ。

 日本の皆さんは覚えているだろうか? そう2016年に遠征中に飛行機が墜落し、選手、コーチのほとんどが亡くなってなくなってしまった悲劇のチームだ。そのシャペコエンセが同じ日、セリエBで優勝を果たしたのだ。彼らのユニホームもまた緑で、ニックネームもブタ(シャペコ豚というブランドブタで有名な街のため)。おまけに、決勝点が生まれたのも後半アディショナルタイム8分で同じだった。どこか因縁めいたものを感じるのは、考えすぎだろうか。
 
 いずれにしても、パルメイラスのサポーターは大喜びだ。凱旋したチームを迎えるため、サンパウロの空港には2万人近い人が押し寄せ、お祭り騒ぎとなった。ただそのほとんどはマスクをしていなかったことが、心配でもあるが……。反対にサントスの町は静かで、TVが3台窓から投げ捨てられただけだったという。

 南米王者となったパルメイラスが次に挑むのは、クラブワールドカップだ。このタイトルを取るために全力をかけるだろう。インターコンチネンタルカップの時代から、パルメイラスは世界ナンバー1クラブになったことがない。他のブラジルのビッグチームのサポーターからは、よくそのことを揶揄されてきた。このチャンスを絶対に逃したくはないだろう。

 順当に勝ち進めば、決勝のカードは欧州王者バイエルン・ミュンヘン対パルメイラスとなるはずである。つまりドイツ対ブラジルだ。ブラジル人の脳裏にはある悪夢が甦る。2014年の自国開催のW杯で1-7という屈辱的な結果で敗れた記憶だ。それを払しょくするためにもパルメイラスはどうしても勝つ必要がある。

ただ、今回の決勝のようなプレーをしていては、世界を制するのはかなり難しいだろう。

文●リカルド・セティオン
翻訳●利根川晶子

【著者プロフィール】
リカルド・セティオン(Ricardo SETYON)/ブラジル・サンパウロ出身のフリージャーナリスト。8か国語を操り、世界のサッカーの生の現場を取材して回る。FIFAの役員も長らく勤め、ジーコ、ドゥンガ、カフーなど元選手の知己も多い。現在はスポーツ運営学、心理学の教授としても大学で教鞭をとる。
 
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