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敵将の愚行で一瞬の隙→3か月前まで2部にいた“新参者”のファーストタッチが劇的決勝弾! ブラジル人記者が見た「南米一決定戦」【現地発】

カテゴリ:ワールド

リカルド・セティオン

2021年02月02日

指揮官の愚行で約2分間も混乱状態が続き…

途中出場からファーストタッチで千金弾を叩き込み、喜びを爆発させるB・ロペス。(C) Getty Images

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 終了2分前、ボールがサイドラインを割って外に出て、サントスのベンチ前にいたクカの足下近くに転がった。それをパルメイラスのSBマルコス・ホシャが取りに来る。ところがクカはそれより早くボールを手にすると、ホシャに渡さないよう抵抗する。約15秒近くもみ合いが続いた。

 主審はクカにレッドカードを、ホシャにはイエローカードを出す。指揮官はVARを要求するが、認められない。その後は抗議で両チームが入り乱れ、約2分間混乱状態が続いた。聖母マリアのド派手なTシャツを着たクカは、怒ってスタンドの柵を超えて、そのままサポーターの間で観戦を続けた(この試合は5000人の観客の入場が許されていた)。

 この一連の騒動のおかげで、試合の流れはぷっつりと切れ、選手たちの集中力は完全に失われてしまった。そして、ようやくリスタートした直後、ボールはパルメイラスのホニに渡り、クロス。これをブレーノ・ロペスがヘッドでゴールに押し込む。こうしてパルメイラスの勝利が決まった。サントスのGKジョアンは何がどうなっているのかわからない様子で、少年サッカーのようなシュートを決められてしまった。

 このゴールを決めたB・ロペスが良い意味の方の主役である。彼はパルメイラスでもっとも無名の選手だった。彼が加入したのはわずか3か月前、怪我をした選手の後釜として、移籍金ゼロでセリエB(2部)のチームから加入した。いわば新参者だ。

 そしてこの試合では、ゴールの3分前にピッチに入り、このシュートが彼のファーストタッチだった。とてつもなくラッキーだが、こんなことで南米一の優勝チームが決まってしまうことには疑問を感じざるを得ない。パルメイラスはこれがこの日唯一の枠内シュートだった(サントスは3本)。
 
 パルメイラスのサポーター以外の多くは、心情的にはサントスを応援していた。リッチなパルメイラスに比べ、サントスは貧乏クラブで、おまけにベンチ入りした24人の選手の内、19人が22歳以下だった。いわゆる判官びいきという奴だ。

 だからこの結果には多くのブラジル人にとって、どこか納得できないものがあった。
ネイマールもプライベートのインスタグラム(ブラジルではこういう鍵のかかったSNSもハッキングされて漏れてしまう)に「勝ったのはパルメイラスだが、それに値するプレーではなかった」と漏らしている。
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