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10年前は「好き勝手やっていた」。這い上がった琉球の10番、富所悠がプロ11年目で“J2初得点”を決めるまで

カテゴリ:Jリーグ

仲本兼進

2019年03月07日

ピッチで躍動した開幕戦。終盤に訪れたJ2初ゴール

開幕前のキャンプから好調を維持。今季のブレイクを予感させる。写真:滝川敏之

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 J2開幕を前に「わくわくしている」という言葉を使ったのもサッカー選手として成長を止めず、上に行きたいという気持ちを途切れさせなかったからこその率直な表現。普段は正直、淡泊なコメントが多い彼の口からその言葉が出ただけでも、心打たれるところがある。
 
 そして、その言葉通り福岡との開幕戦に左サイドハーフで先発出場した富所は、ピッチ上で喜びを表現。パス、ドリブル、シュートと様々なシーンで彼らしさを表現すれば、CKの流れから右足でオーバーヘッドを放ち、惜しくもGKに弾かれるも翼が生えたかのようなプレーで観衆を沸かせてみせる。
 
 そして82分、小松駿太がエリア内でドリブルからシュートにつなげると、そのボールが富所に当たり、GKの逆をつく形でゴールに吸い込まれていった。これがプロ11年目にしてのJ2初ゴールとなった。
 
「エリア内でずっと縦パスが欲しかったんですけど、小松がパスからシュートに切り替えたので、それに反応できて良かったです」
 そう答える富所はうっすらと笑みを浮かべていた。
 
 琉球加入当初と比べても格段に増えたサポーターの前で結果を残した富所。2節の大宮戦はコンディション不良で欠場したものの、大事には至らず早期に復帰できる見込みだ。J2に這い上がってきたという実感をエネルギーに変え、さらなる高みを目指す。
 
取材・文●仲本兼進(フリーライター)
 
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