ガンバ大阪、驚愕の9連勝。指揮官、宮本恒靖が明かす「快進撃の舞台裏」

カテゴリ:Jリーグ

川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)

2018年11月28日

継承すべき「ガンバイズム」とはなんなのか

2005年、最終節の川崎戦で千金弾を決め、J1初優勝を手繰り寄せた。エンブレムに手を当て、待たせ続けたサポーターに向けて咆哮を轟かせる。(C)SOCCER DIGEST

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 今野に話を訊くと、宮本ガンバでもっとも変わったのは攻撃のテンポアップだという。「ボールを奪ってからのパスの質が求められて、だらだら回すんじゃなくて前に効果的なパスをどんどん出して、素早く攻め切ろと言われる。個人的にはここが大きな変化だったかなと思います」と教えてくれた。これを指揮官に向けると、「9月に入ったくらいから強く求めましたね」と認め、こう説明した。

「単純にプレーのスピードを上げたかった。コントロールしてからパスに向かうのか、それともドリブルをするのか。ボールを受けて相手の間合いに入るまで待って仕掛けるんじゃなくて、ボールを受けたらすぐ仕掛けるのが当然やと思う。前にスペースがあるなら早く進めようと。そのなかでプレーのスピードと正確性を追求していきました」

 
 次は背番号10・倉田秋を捕まえた。宮本監督の印象について問うと、「現役時代は一緒にプレーしてないから分かりませんけど、けっこう熱いんやなと思いました。あとはガンバ・アカデミーの先輩ですから、そのメッセージにグッと来るものがあった。強いガンバを取り戻さなアカンと。ホンマにそうやと思います」と、珍しく(?)真顔で語った。

 少し嬉しそうな表情を浮かべて、ツネはこう返答する。

「さっきも言いましたけど、サポーターを悲しませてはいけない。最初のミーティングのとき、とくにガンバ・アカデミー出身の選手にはそこらへんを強調しましたね。不甲斐なく感じていると思う、だから覆そうと。シュウはJ2に落ちた経験もあるわけですから、なおさら危機感を持って臨んでいたと思いますよ」

 そこで、ついに監督となった宮本にあらためて尋ねた。どこか忘れられていた、継承すべき“ガンバイズム”とはなんなのかを──。

「当然僕なんかは、弱かった頃のガンバを知っている。それは少しずつ強くなっていくなかで培ったもの。ボールを保持しながら相手を圧倒する、保持してなくても相手からしっかりボールを奪い取る。今日はどういう勝ち方をしようかと思い描きながら、選手たちにはスタジアムに向かってほしいんです。そしてファンのみなさんに対して、また観に来たいと思わせるパフォーマンスをいつも提供したい。いまではビッグクラブという評価をもらえている。それはとても光栄なことやし、そこに甘んじるんじゃなく、もっとその地位を上げて挑戦していくのがガンバやと思うんです。どんなことにも屈しない強さ。ハートのところも示していきたいですね」
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