【川崎】中村憲剛が宇宙と生交信する理由。川崎が仕掛けるスポーツによる幸せ作りとは?

カテゴリ:Jリーグ

手嶋真彦

2016年08月13日

見据えているのはスポーツで日本中が幸せにという未来。

アメリカではアメフトをはじめとしたカレッジスポーツが、地域住民の生き甲斐になっている。(C)Getty Images

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「試合開催のシーズンがずれているから、最初はアメフト、次はバスケとバレーボール、その次はベースボールというように、常にワシントン州立大のチームを応援する。そうやって1年中楽しむんです」
 
 充実しているのは、「観るスポーツ」だけではない。
 
「大学が各種のスポーツ教室を取り仕切っていて、大会も年間を通して開かれている。僕の大学だと、メジャースポーツからマイナースポーツまで150競技くらいあって、地域の人なら誰でもエントリーできるんです。レベルも細かく分かれていて、特定の人がベンチウォーマーに徹するような差別は一切ありません。〝観るスポーツ〞も〝するスポーツ〞も種類が豊富で、それぞれに楽しみ方がある。本当に幅が広いんです」
 
 なにも天野のワシントン州立大学が、特別だったわけではない。
 
「アメリカの大学はどこでも、人と人とをスポーツで結びつけるコミュニティになっていますよ。多彩なプログラムが用意されていて、恵まれた施設をフル活用している。若い学生だけじゃなく、地域のお年寄りから子どもまで、誰でも手軽に参加できるんです。年齢や性別を問わず、1年365日スポーツに浸って、みんな満たされていますからね」
 
 天野は米国留学中に進むべき道を決めた。人々を幸せにできるスポーツの大きなポテンシャルは、アメリカでの日常でよく分かっていた。
 
 身体を動かし、汗を流せば、単純に気持ちいい。試合観戦前はワクワクできて、観戦中はドキドキして、パフォーマンスに感動したり、勇気が湧いてきたりもする。落胆や失望が、次の機会の喜びを増幅させる伏線となって、そうした感情の起伏を多くの人と共有できる。様々な出会いがあり、友情を育み、絆が深められるのだ。
 
 アメリカでの天野の大きな発見は、次の事実だった。試合をちゃんと観なくても、いわゆる〝にわかファン〞でも、スポーツは楽しめる。なぜなら、スタジアムやアリーナが、幸せに満ちた空間となっているからだ。玄人はだしの目利きが戦況に目を凝らすかたわらで、ルールも知らないお年寄りがワイワイ楽しんでいる。試合の合間には面白いイベントや企画があって、こんなに騒々しいのに0歳児はスヤスヤ眠っているのだ。
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