ミランのオフィシャルサイトに載った興味深いデータとは?

ジェノア戦でも直接FKはボナベントゥーラ(右)に譲った。「だから本田は自分でチャンスを掴む必要があり、今回はそれをモノにした」とパソット記者は分析する。写真:Alberto LINGRIA
新年を迎えて以降の本田は、たとえゴールを奪えなくても、献身的なディフェンスなどその他のプレーでミハイロビッチを納得させていた。そのうえでゴールまで決めたのだから、監督により良いイメージを与えるどころか、完璧に信頼を得ることができるだろう。
だからこそ本田は、何が何でもゴールを決めたかったはずだ。そうでなければ、あんな距離(ゴールまで約35メートル)からミドルシュートを狙わないだろう。
本田はよい左足を持っているが、これまでミランでシュートを打ってきたのは、いつも他の選手だった。バッカ、エムバイ・ニアング、マリオ・バロテッリ、ジャコモ・ボナベントゥーラ……。FKも同様だ。本田は優れたプレースキッカーにもかかわらず、直接狙える位置のFKをいつも他の選手に譲ってきた。だからこそ本田は、自分でチャンスを作るしかなかったし、今回は見事にそれをモノにした。
このゴールのおかげで本田は、ミハイロビッチの構想の中で不動のレギュラーの座を得ることができた。長い目で見た本田の未来にどう影響してくるかは、まだ分からない。しかしそれでも、その効果のほどは試合後の関係者のコメントからも窺える。
アドリアーノ・ガッリアーニ副会長が「久々のゴールだったね。本田とジャック(ボナベントゥーラ)が中盤に素晴らしいバランスを与えてくれる。ブロンゼッティ(今年2月2日に亡くなった移籍コンサルタント)に感謝したい。彼が本田をミラン入りに決定的な存在だったんだ」と語れば、主将のリッカルド・モントリーボは「本田は信頼できる選手の一人だ。ボールが外に出ない限り、彼はいつも動いている。絶対的なタレントはないかもしれない。でも、こういう選手がいれば、チームは目標を達成できるんだ」とコメント。そして、ミハイロビッチは笑顔でこう言った。
「本田は素晴らしい試合をした。彼のためにも本当に嬉しい。かつてはブーイングを受けていたが、今は賞賛されている。ちょっと前に私は、“今のようなプレーを続けるなら、ずっと起用する”と約束したはずだ」
昨年12月20日のフロジノーネ戦後の約束を引き合いに出したミハイロビッチは、かなり満足げだった。
ちなみに、ミランのオフィシャルサイトには、本田のゴールを祝ってこんな言葉が載せられていた。
本田がゴールを決めれば、ミランは決して負けない――。
本田はここまでミランで10ゴールしており、その9試合の結果は8勝1分け。このジンクスが今後どこまで続くかはわからないが、間違いなく良いデータだろう。
文:マルコ・パソット(ガゼッタ・デッロ・スポルト紙)
翻訳:利根川晶子
【著者プロフィール】
Marco PASOTTO(マルコ・パソット)/1972年2月20日、トリノ生まれ。95年から『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙で執筆活動を始める。2002年から8年間ウディネーゼを追い、10年より番記者としてミランに密着。ミランとともにある人生を送っている。
だからこそ本田は、何が何でもゴールを決めたかったはずだ。そうでなければ、あんな距離(ゴールまで約35メートル)からミドルシュートを狙わないだろう。
本田はよい左足を持っているが、これまでミランでシュートを打ってきたのは、いつも他の選手だった。バッカ、エムバイ・ニアング、マリオ・バロテッリ、ジャコモ・ボナベントゥーラ……。FKも同様だ。本田は優れたプレースキッカーにもかかわらず、直接狙える位置のFKをいつも他の選手に譲ってきた。だからこそ本田は、自分でチャンスを作るしかなかったし、今回は見事にそれをモノにした。
このゴールのおかげで本田は、ミハイロビッチの構想の中で不動のレギュラーの座を得ることができた。長い目で見た本田の未来にどう影響してくるかは、まだ分からない。しかしそれでも、その効果のほどは試合後の関係者のコメントからも窺える。
アドリアーノ・ガッリアーニ副会長が「久々のゴールだったね。本田とジャック(ボナベントゥーラ)が中盤に素晴らしいバランスを与えてくれる。ブロンゼッティ(今年2月2日に亡くなった移籍コンサルタント)に感謝したい。彼が本田をミラン入りに決定的な存在だったんだ」と語れば、主将のリッカルド・モントリーボは「本田は信頼できる選手の一人だ。ボールが外に出ない限り、彼はいつも動いている。絶対的なタレントはないかもしれない。でも、こういう選手がいれば、チームは目標を達成できるんだ」とコメント。そして、ミハイロビッチは笑顔でこう言った。
「本田は素晴らしい試合をした。彼のためにも本当に嬉しい。かつてはブーイングを受けていたが、今は賞賛されている。ちょっと前に私は、“今のようなプレーを続けるなら、ずっと起用する”と約束したはずだ」
昨年12月20日のフロジノーネ戦後の約束を引き合いに出したミハイロビッチは、かなり満足げだった。
ちなみに、ミランのオフィシャルサイトには、本田のゴールを祝ってこんな言葉が載せられていた。
本田がゴールを決めれば、ミランは決して負けない――。
本田はここまでミランで10ゴールしており、その9試合の結果は8勝1分け。このジンクスが今後どこまで続くかはわからないが、間違いなく良いデータだろう。
文:マルコ・パソット(ガゼッタ・デッロ・スポルト紙)
翻訳:利根川晶子
【著者プロフィール】
Marco PASOTTO(マルコ・パソット)/1972年2月20日、トリノ生まれ。95年から『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙で執筆活動を始める。2002年から8年間ウディネーゼを追い、10年より番記者としてミランに密着。ミランとともにある人生を送っている。