2011年――準決勝、決勝ともに4発零封と、圧倒的強さを発揮。
2011年、最強バルサが日本にやって来た。
2008-09シーズンにジョゼップ・グアルディオラが監督に就任してから、バルサはボールポゼッションに重きを置いたスペクタクルなプレーでサッカー界を席巻。09年にクラブ史上初の世界制覇を果たし、その後も進化と勢いは止まることはなかった。
春にウェンブリーでマンチェスター・ユナイテッドを一蹴し、欧州王者として決戦の地に乗り込んできたバルサが、今回のクラブワールドカップの主役であることは間違いなく、勝敗以上に、いかなる“ショー”を見せてくれるかにも期待がかけられていた。
世界一に向けての第1ハードルは、アジア代表のアル・サッド。これに対しバルサは、5日前にクラシコを戦っていたこともあり、その時のスタメンから4人を入れ替えて臨んだ。
試合は、バルサの一方的展開。というより、アル・サッドが5バックを敷いて徹底的に守りに入ったことで、バルサは苦労せずにボールをキープし続けることができた。しかもアル・サッドには攻撃の秘策もなく、ひたすら相手の攻撃に耐える展開となったのである。
これほどの超守備的な姿勢で臨みながら、アル・サッドにはミスが多く、25分にはGKとDFの連係がずれたところをアドリアーノに突かれて先制点を献上。43分にもやはりアドリアーノにゴールを許すと、ほぼこの時点で勝敗は決まった。
64分にセイドゥ・ケイタ、81分にマクスウェルのゴールが決まり、バルサは4-0と大勝。この3日後、ブラジルの強豪サントスとの決勝に臨んだ。
バルサ有利が予想されるなか、序盤に積極的な姿勢を見せたのは南米王者。攻撃ではガンソ、ネイマールのホットラインによって開始早々に惜しいシュートを放ち、守備ではマンマークでバルサのパスワークを封じ込むのに成功していた。
しかし、キックオフから10分を過ぎる頃になると、バルサが目を覚ましたかのように、躍動を始める。13分にメッシのパスからチアゴ・アルカンタラが最初の決定機を迎えると、その4分後にはシャビの鋭いスルーパスからメッシが抜け出し、チップキックでGKをかわして先制ゴールを決めた。
サントスの「もしかしたら……」という期待は完全に打ち砕かれ、その後はバルサのスペクタクルな攻撃が展開されていった。
24分には、右ウイングに入ったダニエウ・アウベスからのクロスにシャビが飛び込んで合わせて、あっさり追加点をゲット。さらに前半終了間際にもメッシとD・アウベスで右サイドを崩し、最後はセスク・ファブレガスが押し込んでリードを3点に広げた。
サントスは選手交代で流れを変えようとするが、バルサの攻撃は時間とともに勢いを増すばかり。攻撃ではネイマールに望みを託すも、彼に対する事前のリサーチを怠らなかったバルサにより、ほとんどの時間で無力化されてしまった。
82分にメッシのゴールでダメを押したバルサは、南米の強豪をも一蹴する驚異の強さを披露。3-4-3という新たな新機軸を機能させ、さらなる進化を遂げていくものと、見る者に予感させた。
もっとも、このシーズンのバルサはリーガとチャンピオンズ・リーグという2大タイトルをいずれも逃してしまい、黄金時代創成の立役者であるグアルディオラ監督は退任することとなったのである。
そして、悪夢を見たネイマールは4年後の今回、バルサの一員として再来日を果たした。左大腿部を痛め、まだ練習に参加していない彼の勇姿を、日本のファンは直に目にすることができるだろうか。
【写真で振り返る】2011年クラブワールドカップ
◎2011年クラブワールドカップ準決勝
11年12月15日・横浜国際総合競技場
バルセロナ 4-0 アル・サッド
得点:アドリアーノ(25分・43分)、ケイタ(64分)、マクスウェル(81分)
◇バルセロナ
出場メンバー:GK V・バルデス、DF プジョール、マスチェラーノ、アビダル(66分マクスウェル)、MF ケイタ、チアゴ、イニエスタ、メッシ、FW アドリアーノ、ビジャ(39分A・サンチェス→71分クエンカ)、ペドロ
監督:グアルディオラ
◇アル・サッド
出場メンバー:GK モハメド、DF カソラ、コニ、イ・ジョンス、イブラヒム、ベルハジ、MF タラル(65分アルヤジディ)、ウェサム、ケイタ(85分アルハイドス)、アル・ハルファン、FW ニアン(77分アリ)
監督:フォッサーティ
◎2011年クラブワールドカップ決勝
11年12月18日・横浜国際総合競技場
バルセロナ 4-0 サントス
得点:メッシ(17分・82分)、シャビ(24分)、セスク(45分)
◇バルセロナ
出場メンバー:GK V・バルデス、DF プジョール(85分フォンタス)、ピケ(56分マスチェラーノ)、アビダル、MF ブスケッツ、シャビ、セスク、イニエスタ、FW D・アウベス、メッシ、チアゴ(79分ペドロ)
監督:グアルディオラ
◇サントス
出場メンバー:GK ラファエウ、DF ロドリゴ、E・ドラセーナ、ドゥルパウ、MF アロウカ、エンリケ、ダニーロ(31分エラーノ)、ガンソ(83分イブソン)、レオ、FW ボルジェス(79分A・カルデッキ)、ネイマール
監督:ラマーリョ
2008-09シーズンにジョゼップ・グアルディオラが監督に就任してから、バルサはボールポゼッションに重きを置いたスペクタクルなプレーでサッカー界を席巻。09年にクラブ史上初の世界制覇を果たし、その後も進化と勢いは止まることはなかった。
春にウェンブリーでマンチェスター・ユナイテッドを一蹴し、欧州王者として決戦の地に乗り込んできたバルサが、今回のクラブワールドカップの主役であることは間違いなく、勝敗以上に、いかなる“ショー”を見せてくれるかにも期待がかけられていた。
世界一に向けての第1ハードルは、アジア代表のアル・サッド。これに対しバルサは、5日前にクラシコを戦っていたこともあり、その時のスタメンから4人を入れ替えて臨んだ。
試合は、バルサの一方的展開。というより、アル・サッドが5バックを敷いて徹底的に守りに入ったことで、バルサは苦労せずにボールをキープし続けることができた。しかもアル・サッドには攻撃の秘策もなく、ひたすら相手の攻撃に耐える展開となったのである。
これほどの超守備的な姿勢で臨みながら、アル・サッドにはミスが多く、25分にはGKとDFの連係がずれたところをアドリアーノに突かれて先制点を献上。43分にもやはりアドリアーノにゴールを許すと、ほぼこの時点で勝敗は決まった。
64分にセイドゥ・ケイタ、81分にマクスウェルのゴールが決まり、バルサは4-0と大勝。この3日後、ブラジルの強豪サントスとの決勝に臨んだ。
バルサ有利が予想されるなか、序盤に積極的な姿勢を見せたのは南米王者。攻撃ではガンソ、ネイマールのホットラインによって開始早々に惜しいシュートを放ち、守備ではマンマークでバルサのパスワークを封じ込むのに成功していた。
しかし、キックオフから10分を過ぎる頃になると、バルサが目を覚ましたかのように、躍動を始める。13分にメッシのパスからチアゴ・アルカンタラが最初の決定機を迎えると、その4分後にはシャビの鋭いスルーパスからメッシが抜け出し、チップキックでGKをかわして先制ゴールを決めた。
サントスの「もしかしたら……」という期待は完全に打ち砕かれ、その後はバルサのスペクタクルな攻撃が展開されていった。
24分には、右ウイングに入ったダニエウ・アウベスからのクロスにシャビが飛び込んで合わせて、あっさり追加点をゲット。さらに前半終了間際にもメッシとD・アウベスで右サイドを崩し、最後はセスク・ファブレガスが押し込んでリードを3点に広げた。
サントスは選手交代で流れを変えようとするが、バルサの攻撃は時間とともに勢いを増すばかり。攻撃ではネイマールに望みを託すも、彼に対する事前のリサーチを怠らなかったバルサにより、ほとんどの時間で無力化されてしまった。
82分にメッシのゴールでダメを押したバルサは、南米の強豪をも一蹴する驚異の強さを披露。3-4-3という新たな新機軸を機能させ、さらなる進化を遂げていくものと、見る者に予感させた。
もっとも、このシーズンのバルサはリーガとチャンピオンズ・リーグという2大タイトルをいずれも逃してしまい、黄金時代創成の立役者であるグアルディオラ監督は退任することとなったのである。
そして、悪夢を見たネイマールは4年後の今回、バルサの一員として再来日を果たした。左大腿部を痛め、まだ練習に参加していない彼の勇姿を、日本のファンは直に目にすることができるだろうか。
【写真で振り返る】2011年クラブワールドカップ
◎2011年クラブワールドカップ準決勝
11年12月15日・横浜国際総合競技場
バルセロナ 4-0 アル・サッド
得点:アドリアーノ(25分・43分)、ケイタ(64分)、マクスウェル(81分)
◇バルセロナ
出場メンバー:GK V・バルデス、DF プジョール、マスチェラーノ、アビダル(66分マクスウェル)、MF ケイタ、チアゴ、イニエスタ、メッシ、FW アドリアーノ、ビジャ(39分A・サンチェス→71分クエンカ)、ペドロ
監督:グアルディオラ
◇アル・サッド
出場メンバー:GK モハメド、DF カソラ、コニ、イ・ジョンス、イブラヒム、ベルハジ、MF タラル(65分アルヤジディ)、ウェサム、ケイタ(85分アルハイドス)、アル・ハルファン、FW ニアン(77分アリ)
監督:フォッサーティ
◎2011年クラブワールドカップ決勝
11年12月18日・横浜国際総合競技場
バルセロナ 4-0 サントス
得点:メッシ(17分・82分)、シャビ(24分)、セスク(45分)
◇バルセロナ
出場メンバー:GK V・バルデス、DF プジョール(85分フォンタス)、ピケ(56分マスチェラーノ)、アビダル、MF ブスケッツ、シャビ、セスク、イニエスタ、FW D・アウベス、メッシ、チアゴ(79分ペドロ)
監督:グアルディオラ
◇サントス
出場メンバー:GK ラファエウ、DF ロドリゴ、E・ドラセーナ、ドゥルパウ、MF アロウカ、エンリケ、ダニーロ(31分エラーノ)、ガンソ(83分イブソン)、レオ、FW ボルジェス(79分A・カルデッキ)、ネイマール
監督:ラマーリョ