2006年――堅守を誇るインテルナシオナルの術中にはまる…。
2005-06シーズン、アーセナルを下して14年ぶりの欧州制覇を遂げたバルサ。2回目を迎えるクラブワールドカップへの出場権を得て、冬の日本にやって来た。
フランク・ライカールトに率いられたバルサは、ロナウジーニョ、デコらが創り出すスペクタクルな攻撃をウリにしていたが、その仕上げとなるゴールゲッターであるサミュエル・エトー、そして頭角を現わしたリオネル・メッシが、いずれも怪我でメンバーを外れたのは痛恨だった。
それでも、クラブ・アメリカとの準決勝では、格の違いを見せつけて4-0の勝利。雨のなかでも高いボールポゼッションを誇り、メキシコの強豪を翻弄し続けた。
とりわけ、デコ→ロナウジーニョ→アンドレス・イニエスタと繋ぎ、最後にエイドゥル・グジョンセンが狙いすましたゴールを決めた先制点には、バルサの良さが全て込められていた。
2点目はCKからラファエル・マルケスが決め、3点目はGKが弾いたところをロナウジーニョが詰めた。そして4点目は、デコの強烈なミドルシュートだった。
大勝の一戦から3日後に迎えた決勝の相手は、ブラジルのインテルナシオナル。攻撃よりも守備に強みを持つチームだ。
難敵相手にも、バルサは主導権を握る。くさびのパスを駆使し、ロナウジーニョ、グジョンセンといったキープ力のある選手がタメとなって、インテルナシオナル陣内に攻め入った。
これに対し、インテルナシオナルは中盤での守備に厚みを持たせ、バルサのパス供給源であるデコ、イニエスタを封じにかかる。またボールを奪うと、アレシャンドレ・パットのスピードを活かした鋭いカウンターでバルサDF陣に再三冷や汗をかかせた。
ボールは持ち続けるものの、組織ではなく個人の力で相手ゴールに迫ろうとするバルサに対し、インテルナシオナルは高い集中力を維持してこれを撥ね返し続ける。バルサが次々に攻撃的なカードを切っても、試合の様相に変わりはなかった。
互いにチャンスは作るものの、最後の詰めには至らないという展開に終止符が打たれたのは、82分だった。カウンターから、イアルレイのラストパスを受けたアドリアーノが、バルサの牙城を破ったのである。
強固な守備力を誇るチームが先制点を奪ったことで、勝敗は決した。バルサはインテルナシオナルの術中にはまり、決勝で涙を飲んだ。14年前同様、ブラジルのクラブに世界制覇を阻まれたのである。
グレミオ出身のロナウジーニョにとっては、同じ町(ポルトアレグレ)のライバルであるインテルナシオナルに敗れことが、悔しさを倍加させた。
【写真で振り返る】2006年クラブワールドカップ
◎2006年クラブワールドカップ準決勝
06年12月14日・横浜国際総合競技場
バルセロナ 4-0 クラブ・アメリカ
得点:グジョンセン(11分)、マルケス(30分)、ロナウジーニョ(65分)、デコ(85分)
◇バルセロナ
出場メンバー:GK V・バルデス、DF ザンブロッタ、マルケス、プジョール、ファン・ブロンクホルスト、MF モッタ(61分シャビ)、イニエスタ、デコ、FW ジュリ(74分ベレッチ)、グジョンセン(66分エスケーロ)、ロナウジーニョ
監督:ライカールト
◇クラブ・アメリカ
出場メンバー:GK オチョア、DF O・ロハス、ダビノ、R・ロハス、カストロ、MF アルゲロ、ビジャ、ペレイラ(74分メンドーサ)、FW クエバス、C・ロペス(74分ブオッソ)、カバナス(HTブランコ)
監督:L・F・テナ
◎2006年クラブワールドカップ決勝
06年12月17日・横浜国際総合競技場
バルセロナ 0-1 インテルナシオナル
得点:アドリアーノ(82分)
◇バルセロナ
出場メンバー:GK V・バルデス、DF ザンブロッタ(HTベレッチ)、マルケス、プジョール、ファン・ブロンクホルスト、MF モッタ(59分シャビ)、イニエスタ、デコ、FW ジュリ、グジョンセン(88分エスケーロ)、ロナウジーニョ
監督:ライカールト
◇インテルナシオナル
出場メンバー:GK クレメル、DF セアラー、インジオ、エレル、カルドソ、MF モンテイロ、エジーニョ、アレックス(HTバルガス)、フェルナンドン(76分アドリアーノ)、FW パット(61分L・アドリアーノ)、イアルレイ
監督:ブラガ
フランク・ライカールトに率いられたバルサは、ロナウジーニョ、デコらが創り出すスペクタクルな攻撃をウリにしていたが、その仕上げとなるゴールゲッターであるサミュエル・エトー、そして頭角を現わしたリオネル・メッシが、いずれも怪我でメンバーを外れたのは痛恨だった。
それでも、クラブ・アメリカとの準決勝では、格の違いを見せつけて4-0の勝利。雨のなかでも高いボールポゼッションを誇り、メキシコの強豪を翻弄し続けた。
とりわけ、デコ→ロナウジーニョ→アンドレス・イニエスタと繋ぎ、最後にエイドゥル・グジョンセンが狙いすましたゴールを決めた先制点には、バルサの良さが全て込められていた。
2点目はCKからラファエル・マルケスが決め、3点目はGKが弾いたところをロナウジーニョが詰めた。そして4点目は、デコの強烈なミドルシュートだった。
大勝の一戦から3日後に迎えた決勝の相手は、ブラジルのインテルナシオナル。攻撃よりも守備に強みを持つチームだ。
難敵相手にも、バルサは主導権を握る。くさびのパスを駆使し、ロナウジーニョ、グジョンセンといったキープ力のある選手がタメとなって、インテルナシオナル陣内に攻め入った。
これに対し、インテルナシオナルは中盤での守備に厚みを持たせ、バルサのパス供給源であるデコ、イニエスタを封じにかかる。またボールを奪うと、アレシャンドレ・パットのスピードを活かした鋭いカウンターでバルサDF陣に再三冷や汗をかかせた。
ボールは持ち続けるものの、組織ではなく個人の力で相手ゴールに迫ろうとするバルサに対し、インテルナシオナルは高い集中力を維持してこれを撥ね返し続ける。バルサが次々に攻撃的なカードを切っても、試合の様相に変わりはなかった。
互いにチャンスは作るものの、最後の詰めには至らないという展開に終止符が打たれたのは、82分だった。カウンターから、イアルレイのラストパスを受けたアドリアーノが、バルサの牙城を破ったのである。
強固な守備力を誇るチームが先制点を奪ったことで、勝敗は決した。バルサはインテルナシオナルの術中にはまり、決勝で涙を飲んだ。14年前同様、ブラジルのクラブに世界制覇を阻まれたのである。
グレミオ出身のロナウジーニョにとっては、同じ町(ポルトアレグレ)のライバルであるインテルナシオナルに敗れことが、悔しさを倍加させた。
【写真で振り返る】2006年クラブワールドカップ
◎2006年クラブワールドカップ準決勝
06年12月14日・横浜国際総合競技場
バルセロナ 4-0 クラブ・アメリカ
得点:グジョンセン(11分)、マルケス(30分)、ロナウジーニョ(65分)、デコ(85分)
◇バルセロナ
出場メンバー:GK V・バルデス、DF ザンブロッタ、マルケス、プジョール、ファン・ブロンクホルスト、MF モッタ(61分シャビ)、イニエスタ、デコ、FW ジュリ(74分ベレッチ)、グジョンセン(66分エスケーロ)、ロナウジーニョ
監督:ライカールト
◇クラブ・アメリカ
出場メンバー:GK オチョア、DF O・ロハス、ダビノ、R・ロハス、カストロ、MF アルゲロ、ビジャ、ペレイラ(74分メンドーサ)、FW クエバス、C・ロペス(74分ブオッソ)、カバナス(HTブランコ)
監督:L・F・テナ
◎2006年クラブワールドカップ決勝
06年12月17日・横浜国際総合競技場
バルセロナ 0-1 インテルナシオナル
得点:アドリアーノ(82分)
◇バルセロナ
出場メンバー:GK V・バルデス、DF ザンブロッタ(HTベレッチ)、マルケス、プジョール、ファン・ブロンクホルスト、MF モッタ(59分シャビ)、イニエスタ、デコ、FW ジュリ、グジョンセン(88分エスケーロ)、ロナウジーニョ
監督:ライカールト
◇インテルナシオナル
出場メンバー:GK クレメル、DF セアラー、インジオ、エレル、カルドソ、MF モンテイロ、エジーニョ、アレックス(HTバルガス)、フェルナンドン(76分アドリアーノ)、FW パット(61分L・アドリアーノ)、イアルレイ
監督:ブラガ