現時点で最後のW杯――1986年。戦前は高評価を得るも惨敗。

予選で大活躍したベテランのニラシが負傷で最終メンバーから外れたことも大きく響き、86年のハンガリーは期待を大きく裏切った。グループリーグ最終戦ではミシェル・プラティニ率いる欧州王者フランスに力の差を見せつけられ、あっけなく終戦を迎えた。写真はフランスのヤニック・ストピラにフリーでのヘッドを許し、先制点を献上した場面。 (C) SOCCER DIGEST
欧州予選ではオランダ、オーストリア、キプロスとのグループを5勝1敗の成績で首位通過し、メキシコ行き一番乗りを達成。大会前のトレーニングマッチでは、優勝候補の一角であるブラジルをホームで3-0と一蹴など、古豪復活の予感を漂わせていた。
しかし、チームの中心だったチボール・ニラシを欠いた本大会でのハンガリーは、期待の若手ラヨス・データーリらの調子も上がらず、初戦でソ連にスピードと組織力で翻弄されて6失点の大敗。4年前とは逆の出だしとなり、2戦目で格下カナダには勝利を挙げたものの、欧州王者フランスには完敗を喫して、あっけなく戦いは終わった。
◎86年メキシコ・ワールドカップ
◇グループリーグ
ハンガリー 0-6 ソ連
ハンガリー 2-0 カナダ
得点者:マルトン・エシュテルハージー、データーリ
ハンガリー 0-3 フランス
※グループ3位で敗退
この大会では、6つのグループの各3位チームのうち、成績上位の4チームが決勝トーナメントに進めたが、ハンガリーは同勝点のブルガリア、ウルグアイに得失点差で下回り、5位で涙を飲んだ。
ちなみに82年大会でも同様のレギュレーションであれば、ハンガリーは次ラウンドへ進めていた(82年は各グループの上位2チームが2次リーグへ進出)。また86年当時は、勝利勝点2の時代。ブルガリア、ウルグアイはともに2分け1敗だったので、現在のように勝利勝点が3であれば、ここでもハンガリーが勝ち抜けていた。
これ以降、ハンガリーは本大会に駒を進められないでいる。最も予選突破に近付いたのは、プレーオフに進出した98年フランス大会予選だが、ドラガン・ストイコビッチやデヤン・サビチェビッチといったタレントを擁するユーゴスラビア相手に、なんと2試合で12点を奪われ、あえなく野望は潰えた。
最後のEUROから44年、ワールドカップからは30年の時を経て、来夏、新たな歴史を創成することになるハンガリー。本大会では厳しい戦いが待っているだろうが、この勢いをフランスでも持続し、さらにその後に始まる2018年ロシア・ワールドカップ予選においても国民に喜びをもたらせられるだろうか。
最後に付け加えておくと、オリンピックでもハンガリーは、96年アトランタ大会を最後に長い空白期間が続いている。
前述した64、68年大会の連覇の他、52年ヘルシンキ大会でも金メダルを獲得した他、60年ローマ大会で銅メダル、72年ミュンヘン大会で銀メダルを、ハンガリーはその首に巻いた。
かつてプロ選手に門戸が開かれていなかったオリンピックでは、プロが存在しない社会主義国がフル代表で臨めるということで、西側陣営に比べて圧倒的な成績を残していたという背景がある。
しかし、ハンガリーのオリンピック出場回数は決して多くなく、96年大会の出場自体も、実は72年以来のものであった。そしてこの久々の大舞台で、ハンガリーはあえなく最下位に沈んでいる。
ちなみに、オリンピックをEURO、ワールドカップとともにサッカーのメジャーイベントにひとつに加えるとするならば、現時点でハンガリーが最後に大舞台で対戦した相手は日本である。
◎96年アトランタ五輪
◇グループリーグ
ハンガリー 0-1 ナイジェリア
ハンガリー 1-3 ブラジル
得点者:チャバ・マダール
ハンガリー 2-3 日本
得点者:タマシュ・サンドール、マダール
※グループ最下位で敗退
しかし、チームの中心だったチボール・ニラシを欠いた本大会でのハンガリーは、期待の若手ラヨス・データーリらの調子も上がらず、初戦でソ連にスピードと組織力で翻弄されて6失点の大敗。4年前とは逆の出だしとなり、2戦目で格下カナダには勝利を挙げたものの、欧州王者フランスには完敗を喫して、あっけなく戦いは終わった。
◎86年メキシコ・ワールドカップ
◇グループリーグ
ハンガリー 0-6 ソ連
ハンガリー 2-0 カナダ
得点者:マルトン・エシュテルハージー、データーリ
ハンガリー 0-3 フランス
※グループ3位で敗退
この大会では、6つのグループの各3位チームのうち、成績上位の4チームが決勝トーナメントに進めたが、ハンガリーは同勝点のブルガリア、ウルグアイに得失点差で下回り、5位で涙を飲んだ。
ちなみに82年大会でも同様のレギュレーションであれば、ハンガリーは次ラウンドへ進めていた(82年は各グループの上位2チームが2次リーグへ進出)。また86年当時は、勝利勝点2の時代。ブルガリア、ウルグアイはともに2分け1敗だったので、現在のように勝利勝点が3であれば、ここでもハンガリーが勝ち抜けていた。
これ以降、ハンガリーは本大会に駒を進められないでいる。最も予選突破に近付いたのは、プレーオフに進出した98年フランス大会予選だが、ドラガン・ストイコビッチやデヤン・サビチェビッチといったタレントを擁するユーゴスラビア相手に、なんと2試合で12点を奪われ、あえなく野望は潰えた。
最後のEUROから44年、ワールドカップからは30年の時を経て、来夏、新たな歴史を創成することになるハンガリー。本大会では厳しい戦いが待っているだろうが、この勢いをフランスでも持続し、さらにその後に始まる2018年ロシア・ワールドカップ予選においても国民に喜びをもたらせられるだろうか。
最後に付け加えておくと、オリンピックでもハンガリーは、96年アトランタ大会を最後に長い空白期間が続いている。
前述した64、68年大会の連覇の他、52年ヘルシンキ大会でも金メダルを獲得した他、60年ローマ大会で銅メダル、72年ミュンヘン大会で銀メダルを、ハンガリーはその首に巻いた。
かつてプロ選手に門戸が開かれていなかったオリンピックでは、プロが存在しない社会主義国がフル代表で臨めるということで、西側陣営に比べて圧倒的な成績を残していたという背景がある。
しかし、ハンガリーのオリンピック出場回数は決して多くなく、96年大会の出場自体も、実は72年以来のものであった。そしてこの久々の大舞台で、ハンガリーはあえなく最下位に沈んでいる。
ちなみに、オリンピックをEURO、ワールドカップとともにサッカーのメジャーイベントにひとつに加えるとするならば、現時点でハンガリーが最後に大舞台で対戦した相手は日本である。
◎96年アトランタ五輪
◇グループリーグ
ハンガリー 0-1 ナイジェリア
ハンガリー 1-3 ブラジル
得点者:チャバ・マダール
ハンガリー 2-3 日本
得点者:タマシュ・サンドール、マダール
※グループ最下位で敗退

1-2で迎えたアディショナルタイムに2ゴール(上村健一と前園真聖)を挙げた日本が逆転勝利を収めたアトランタ五輪グループリーグの最終戦。2勝を挙げながら敗退という、日本にとっては苦い思い出の残る一戦だったが、ショッキングな敗北で1勝点も得られずに終わったハンガリーもそれは同様だった。 (C) JMPA