• トップ
  • ニュース一覧
  • 【EURO2016出場国】あまりに長かった空白期間……古豪ハンガリー代表の44年間と最後の勇姿を回想

【EURO2016出場国】あまりに長かった空白期間……古豪ハンガリー代表の44年間と最後の勇姿を回想

カテゴリ:国際大会

サッカーダイジェストWeb編集部

2015年11月20日

現時点で最後のW杯――1986年。戦前は高評価を得るも惨敗。

予選で大活躍したベテランのニラシが負傷で最終メンバーから外れたことも大きく響き、86年のハンガリーは期待を大きく裏切った。グループリーグ最終戦ではミシェル・プラティニ率いる欧州王者フランスに力の差を見せつけられ、あっけなく終戦を迎えた。写真はフランスのヤニック・ストピラにフリーでのヘッドを許し、先制点を献上した場面。 (C) SOCCER DIGEST

画像を見る

 欧州予選ではオランダ、オーストリア、キプロスとのグループを5勝1敗の成績で首位通過し、メキシコ行き一番乗りを達成。大会前のトレーニングマッチでは、優勝候補の一角であるブラジルをホームで3-0と一蹴など、古豪復活の予感を漂わせていた。
 
 しかし、チームの中心だったチボール・ニラシを欠いた本大会でのハンガリーは、期待の若手ラヨス・データーリらの調子も上がらず、初戦でソ連にスピードと組織力で翻弄されて6失点の大敗。4年前とは逆の出だしとなり、2戦目で格下カナダには勝利を挙げたものの、欧州王者フランスには完敗を喫して、あっけなく戦いは終わった。
 
◎86年メキシコ・ワールドカップ
◇グループリーグ
ハンガリー 0-ソ連
ハンガリー 2-カナダ
得点者:マルトン・エシュテルハージー、データーリ
ハンガリー 0-フランス
※グループ3位で敗退
 
 この大会では、6つのグループの各3位チームのうち、成績上位の4チームが決勝トーナメントに進めたが、ハンガリーは同勝点のブルガリア、ウルグアイに得失点差で下回り、5位で涙を飲んだ。
 
 ちなみに82年大会でも同様のレギュレーションであれば、ハンガリーは次ラウンドへ進めていた(82年は各グループの上位2チームが2次リーグへ進出)。また86年当時は、勝利勝点2の時代。ブルガリア、ウルグアイはともに2分け1敗だったので、現在のように勝利勝点が3であれば、ここでもハンガリーが勝ち抜けていた。
 
 これ以降、ハンガリーは本大会に駒を進められないでいる。最も予選突破に近付いたのは、プレーオフに進出した98年フランス大会予選だが、ドラガン・ストイコビッチやデヤン・サビチェビッチといったタレントを擁するユーゴスラビア相手に、なんと2試合で12点を奪われ、あえなく野望は潰えた。
 
 最後のEUROから44年、ワールドカップからは30年の時を経て、来夏、新たな歴史を創成することになるハンガリー。本大会では厳しい戦いが待っているだろうが、この勢いをフランスでも持続し、さらにその後に始まる2018年ロシア・ワールドカップ予選においても国民に喜びをもたらせられるだろうか。
 
 最後に付け加えておくと、オリンピックでもハンガリーは、96年アトランタ大会を最後に長い空白期間が続いている。
 
 前述した64、68年大会の連覇の他、52年ヘルシンキ大会でも金メダルを獲得した他、60年ローマ大会で銅メダル、72年ミュンヘン大会で銀メダルを、ハンガリーはその首に巻いた。
 
 かつてプロ選手に門戸が開かれていなかったオリンピックでは、プロが存在しない社会主義国がフル代表で臨めるということで、西側陣営に比べて圧倒的な成績を残していたという背景がある。
 
 しかし、ハンガリーのオリンピック出場回数は決して多くなく、96年大会の出場自体も、実は72年以来のものであった。そしてこの久々の大舞台で、ハンガリーはあえなく最下位に沈んでいる。
 
 ちなみに、オリンピックをEURO、ワールドカップとともにサッカーのメジャーイベントにひとつに加えるとするならば、現時点でハンガリーが最後に大舞台で対戦した相手は日本である。
 
◎96年アトランタ五輪
◇グループリーグ
ハンガリー 0-ナイジェリア
ハンガリー 1-ブラジル
得点者:チャバ・マダール
ハンガリー 2-日本
得点者:タマシュ・サンドール、マダール
※グループ最下位で敗退

1-2で迎えたアディショナルタイムに2ゴール(上村健一と前園真聖)を挙げた日本が逆転勝利を収めたアトランタ五輪グループリーグの最終戦。2勝を挙げながら敗退という、日本にとっては苦い思い出の残る一戦だったが、ショッキングな敗北で1勝点も得られずに終わったハンガリーもそれは同様だった。 (C) JMPA

画像を見る

【関連記事】
イタリア行きに苦労するもついにアッズーリとメガクラブへ。エデルの「知られざる波乱万丈伝」
【バイエルン番記者】どうなる!? グアルディオラ監督との契約延長交渉
【イタリア代表】EUROを見据えて導入した「実質4-2-4」の全貌
【現地コラム】イングランド代表の「新ガスコイン」。21歳の逸材バークリーが、ついに――
【EURO2016】出揃った24か国! 過去出場大会の最高成績による“番付表”
EURO予選敗退国からベストメンバーを勝手に選出! ロッベンやゼコなどビッグネームがズラリと顔を並べる
“ラーム後遺症”に悩まされるドイツ代表。右SBの定位置を掴むのは誰だ!?
【回想】1958年W杯以来の大舞台へ――ウェールズ、半世紀を超える予選敗退の軌跡
【回想】北アイルランド――かつて世界を幾度も驚かせたEURO初出場国

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ