EL出場権争いも熾烈。本命、対抗、有力候補は――。
遠藤:残留争い同様、ヨーロッパリーグ(EL)出場権争いも熾烈です。DFBカップ決勝でドルトムントが負ければ、5~7位にEL出場権が与えられます。
チャンスがあるのは5位のアウクスブルク(勝点46)から順に、シャルケ(同45)、ドルトムント(同43)、ブレーメン(同43)、ホッフェンハイム(同41)まででしょう。本命、対抗、有力候補を挙げると?
中野:本命はアウクスブルク、対抗は上り調子のドルトムント、有力はシャルケ。この3チームは2連勝すれば決めることができる。
ただ、それぞれ難敵との対戦を控えているので、1勝1分けに持ち込めるかどうかがポイント。ドルトムントは33節のヴォルフスブルク戦(アウェー)が大一番。ここを引き分け以上で乗り切れば。
チームとしての安定感で見ると、ホームに強いアウクスブルク、ブレーメンもしっかり勝点を稼ぎそう。
シャルケを有力に留めたのは、チームとしてのまとまりが欠けているために勝ちきれるか読めないから。守備を固めるチームに苦戦するので、33節に対戦するパーダーボルンは嫌な対戦相手だろうね。
遠藤:最後まで目が離せませんね。最後にシャルケでひとつ。先日、ボアテング、サムと契約解除しました。スポーツディレクターのヘルト曰く「信頼関係の崩壊」が理由だったとか。ただ、ヘルトこそ辞めるべきとの声が上がっているようですね。
中野:そもそもクラブがどこを目指し、そのためにはどんなサッカーが必要なのかを明確にするのが大切。ヘルトら首脳陣がそのサッカーをイメージできていて、そのためにディ・マッテオ監督が必要と言うのならば、ファンにも納得ができるように説明するのが適切かと。
チーム内でディ・マッテオよりもボアテングのほうが発言力を持つようでは問題だし、ネガティブな振る舞いや言葉はチームの雰囲気を一気に壊しかねない。うまくいかない時こそ、選手はピッチ上で自分たちの不満を飲み込み、ミスを受け入れる姿勢が重要になる。
溜め込むのではなく、意見交換をする場を別で作り、そこで話し合ったことをそれぞれがしっかりと守る。それができていなかったのなら、解雇もやむなしだと思う。
それとこうした問題で2人を切ったのだから、新戦力を獲得する際はシャルケのために戦えるという人間性を加味した人選をしないと、ファンの信頼は得られないと思うよ。
構成・文:遠藤孝輔
協力:中野吉之伴(FCアウゲン)
【識者プロフィール】
中野吉之伴
1977年生まれ。ドイツ・サッカー連盟公認A級ライセンス保持者(UEFA-Aレベル相当)で、現在は4部リーグに所属するFCアウゲンU-19監督を務める。育成のエキスパートを志して、大学卒業後に渡独。生活に密着しているドイツ・サッカーの奥深さを日本に還元することをテーマとし、体罰や偏見などなく、だれもがサッカーを生涯楽しめる社会になることを夢見ている。最近は執筆業にも精力的に取り組んでいる。
遠藤孝輔
1984年、東京都中野区生まれ。2005年からワールドサッカーダイジェストEXTRA、07年からワールドサッカーダイジェスト編集部に所属し、ドイツ代表およびブンデスリーガを担当。ニコニコ生放送の「ブンデスリーガチャンネル」でゲスト解説を務めた時期も。ドイツ以外の欧州サッカーにも精通し、日本代表のアギーレ前監督が退任した際、真っ先にハリルホジッチを後任候補のひとりに挙げた。14年に日本スポーツ企画出版社を退社。現在はフリー。
チャンスがあるのは5位のアウクスブルク(勝点46)から順に、シャルケ(同45)、ドルトムント(同43)、ブレーメン(同43)、ホッフェンハイム(同41)まででしょう。本命、対抗、有力候補を挙げると?
中野:本命はアウクスブルク、対抗は上り調子のドルトムント、有力はシャルケ。この3チームは2連勝すれば決めることができる。
ただ、それぞれ難敵との対戦を控えているので、1勝1分けに持ち込めるかどうかがポイント。ドルトムントは33節のヴォルフスブルク戦(アウェー)が大一番。ここを引き分け以上で乗り切れば。
チームとしての安定感で見ると、ホームに強いアウクスブルク、ブレーメンもしっかり勝点を稼ぎそう。
シャルケを有力に留めたのは、チームとしてのまとまりが欠けているために勝ちきれるか読めないから。守備を固めるチームに苦戦するので、33節に対戦するパーダーボルンは嫌な対戦相手だろうね。
遠藤:最後まで目が離せませんね。最後にシャルケでひとつ。先日、ボアテング、サムと契約解除しました。スポーツディレクターのヘルト曰く「信頼関係の崩壊」が理由だったとか。ただ、ヘルトこそ辞めるべきとの声が上がっているようですね。
中野:そもそもクラブがどこを目指し、そのためにはどんなサッカーが必要なのかを明確にするのが大切。ヘルトら首脳陣がそのサッカーをイメージできていて、そのためにディ・マッテオ監督が必要と言うのならば、ファンにも納得ができるように説明するのが適切かと。
チーム内でディ・マッテオよりもボアテングのほうが発言力を持つようでは問題だし、ネガティブな振る舞いや言葉はチームの雰囲気を一気に壊しかねない。うまくいかない時こそ、選手はピッチ上で自分たちの不満を飲み込み、ミスを受け入れる姿勢が重要になる。
溜め込むのではなく、意見交換をする場を別で作り、そこで話し合ったことをそれぞれがしっかりと守る。それができていなかったのなら、解雇もやむなしだと思う。
それとこうした問題で2人を切ったのだから、新戦力を獲得する際はシャルケのために戦えるという人間性を加味した人選をしないと、ファンの信頼は得られないと思うよ。
構成・文:遠藤孝輔
協力:中野吉之伴(FCアウゲン)
【識者プロフィール】
中野吉之伴
1977年生まれ。ドイツ・サッカー連盟公認A級ライセンス保持者(UEFA-Aレベル相当)で、現在は4部リーグに所属するFCアウゲンU-19監督を務める。育成のエキスパートを志して、大学卒業後に渡独。生活に密着しているドイツ・サッカーの奥深さを日本に還元することをテーマとし、体罰や偏見などなく、だれもがサッカーを生涯楽しめる社会になることを夢見ている。最近は執筆業にも精力的に取り組んでいる。
遠藤孝輔
1984年、東京都中野区生まれ。2005年からワールドサッカーダイジェストEXTRA、07年からワールドサッカーダイジェスト編集部に所属し、ドイツ代表およびブンデスリーガを担当。ニコニコ生放送の「ブンデスリーガチャンネル」でゲスト解説を務めた時期も。ドイツ以外の欧州サッカーにも精通し、日本代表のアギーレ前監督が退任した際、真っ先にハリルホジッチを後任候補のひとりに挙げた。14年に日本スポーツ企画出版社を退社。現在はフリー。