【連載】識者同士のブンデス放談「ノイアーは史上最高か? GKをディープに掘り下げる」

カテゴリ:ワールド

遠藤孝輔

2015年04月21日

全盛期のブッフォンにも動物的なキレがあった。

ノイアーは歴代最高なのか――こんなトピックをはじめ、今回のブンデス放談は「GK」にグッと迫った。 (C) Getty Images

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 各国のサッカー事情に通じたエキスパート2人を迎え、クロストークで掘り下げる連載企画のブンデスリーガ編。
 
 名門ケルンのユース部門でGKコーチを務める田口哲雄氏を招いた今回は、GKをディープに語る。
 
――◆――◆――
 
遠藤孝輔:ブンデスリーガでの活躍度を示す『キッカー』誌の平均採点を見ると、トップ15に多くのGKがランクインしています。ロッベンに次ぐ2位につけているフェーアマン(シャルケ)を筆頭に、ビュルキ(フライブルク)、レノ(レバークーゼン)、ノイアー(バイエルン)、ホーン(ケルン)、ゾマー(ボルシアMG)、トラップ(フランクフルト)、バウマン(ホッフェンハイム)、ツィーラー(ハノーファー)の9人です。
 
田口哲雄:GKは総じてフィールドプレーヤーよりも“有利に”採点されがちです。その傾向が見られるのは確かでしょう。
 
遠藤:それはなぜですか?
 
田口:ミスが直接失点に結びついた場合以外、マイナスに評価されることが少ないからです。逆に相手の決定機を好セーブで阻止すれば、プラス方向に針が振れるといった具合で。
 
遠藤:GKの中で最も評価が高いのがフェーアマンです。右膝の十字靭帯を痛めて、長らく戦列を離れていた点はマイナスですが、ピッチに立てば、好プレーを連発しています。
 
田口:決定機を防ぐ好セーブが多い印象は確かにありますね。ただ、膝の古傷の影響からか、身体が凄くキレている感じではありません。もちろん、サイズ的(公称は196センチ・97キロ)にキレで勝負するタイプではありませんが……。
 
遠藤:サイズとキレの両方で勝負できるタイプの代表格がノイアーでしょう。
 
田口:もちろん。全盛期のブッフォンも、やはり動物的なキレがありましたね。
 
遠藤:ノイアーは歴代最高、つまり、そのブッフォンを超えたという声が聞かれるようになりました。いまのノイアーが全盛期のブッフォンに劣っている部分はありますか?
 
田口:至近距離からのシュート反応時のしなやかさでしょうかね。イタリアのGKは足でのディフェンス(スライディング風に身体の面積を横に広げるセーブ方法)を好まない傾向が見受けられ、その代わりに手で全てセーブするための身のこなしに長けている印象があります。
 
遠藤:『ワールドサッカーダイジェスト』誌でお馴染みのフルゴーニ氏(ブッフォンを育てたイタリア人GKコーチ)はかつて、ノイアーのポジショニングやキャッチングの少なさを指摘していました。ポジショニングの悪さを傑出した身体能力で補えているから、それほど悪く見えないだけ、と。そのあたりはいかがでしょう?
 
田口:たしかに凄くオフェンシブなポジションを取る中で、小さな判断ミスならスプリント能力で補っているのでしょう。キャッチが少ない点に関しては、リスクを考えたうえでの総合的な判断だと思います。いわゆるブレ球などが多い昨今は、キャッチするのが一層困難になっていますから。
 
 実際、ノイアーの弾いたボールが相手のチャンスに直結することは少ないです。それからブラジル・ワールドカップ以降、彼のオーラに相手FWが怖気づいている印象もありますね。
 
遠藤:気になるのは、そのノイアーに次ぐドイツ代表GKの序列です。レーブ監督はワールドカップ優勝メンバーのヴァイデンフェラーと、ツィーラーを招集しつづけています。例えば、レアル・マドリーの獲得候補と噂されるほど充実しているレノ、トップリーグ初挑戦ながら堂々たるプレーを見せているホーンも面白い存在ですよね。
 
田口:レノとティモ(ホーン)はU-21代表が主戦場です。バルセロナのテア・シュテーゲンを含め、今年6月のU-21欧州選手権が終わるまではA代表から声がかからないでしょう。それぞれ所属クラブでのパフォーマンス次第ですが、この3人がA代表候補に入ってくるはずの夏以降は2番手、3番手争いが激しくなりそうです。もちろん、ノイアーはアンタッチャブル。そういう“暗黙の了解”はありますよ。

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