パルメイラス・サポーター以外のブラジル人は大喜び
今回パルメイラスは22年ぶりにコパ・リベルタドーレスを制し、クラブワールドカップに駒を進めた。本当にワールドカップを手に入れ、今までさんざんからかってきた連中を黙らせる最大のチャンスが巡って来たのである。
パルメイラスはホームのアリアンツ・スタジアムを急遽ドライブシアター風に改装、車からスクリーンで試合を観戦できるようにし、優勝の暁に打ち上げる、500キロの花火も用意された。
しかし――花火が夜空を彩ることはなかった。パルメイラスは準決勝であっさり敗れ去った(0ー1)。それもメキシコのティグレスという決して世界的に有名ではない相手に、内容的には完敗だった。パルメイラスはシュート数、枠内シュート、ボールポセッション、パス本数すべてが劣っていた。GKウェベルトンのファインセーブがいなければもっとゴールを奪われていたことだろう。
先制されても40分は同点にする時間があったというのに、選手は苛立ちはじめ、結局は何もできなかった。ブラジルのメディアの多くは、そのメンタリティの弱さが最大の敗因だと指摘している。プレーの内容は本当にお粗末だった。
パルメイラスはホームのアリアンツ・スタジアムを急遽ドライブシアター風に改装、車からスクリーンで試合を観戦できるようにし、優勝の暁に打ち上げる、500キロの花火も用意された。
しかし――花火が夜空を彩ることはなかった。パルメイラスは準決勝であっさり敗れ去った(0ー1)。それもメキシコのティグレスという決して世界的に有名ではない相手に、内容的には完敗だった。パルメイラスはシュート数、枠内シュート、ボールポセッション、パス本数すべてが劣っていた。GKウェベルトンのファインセーブがいなければもっとゴールを奪われていたことだろう。
先制されても40分は同点にする時間があったというのに、選手は苛立ちはじめ、結局は何もできなかった。ブラジルのメディアの多くは、そのメンタリティの弱さが最大の敗因だと指摘している。プレーの内容は本当にお粗末だった。
しかし、これは予測されていた悲劇ではあった。パルメイラスはリベルタドーレスの準決勝、決勝も決して内容は良くなかった。準決勝のリーベル・プレート戦のセカンドレグでは0-2で負けたが、審判が相手のゴールを2つ取り消したため、0-4で負けていた可能性もある。決勝では“貧しい”サントスに対し、相手GKのミスのおかげでやっと勝利している。
この敗退に、パルメイラス・サポーター以外のブラジル人は「Palmeiras nao tem mundial」が新たに更新されたと、大喜びだ。現在SNS上では祭り状態で、様々な工夫を凝らしだ画像や動画が次々とアップされている。
「ブラジル最高のギャグを守ってくれてありがとう!ティグレス!」
「パルメイラスよ、どうか永遠に笑かしてくれ」
多くのブラジル人はパルメイラスに反感を抱いている。パルメイラスはブラジル一、いや中南米一の金持ちチームかもしれない。スタジアムはもっともモダンで、選手の給料も良く、ヨーロッパ人の監督にはユーロ建てで報酬を払っている。そんな恵まれた境遇にあるというのに、それに見合っただけの強さはなく、プレーもジョゴ・ボニートからかけ離れている。
こうしてパルメイラスは熱望していた世界一のタイトルばかりか、メンツも失ってしまった。
彼らがこの恥をそそぐ方法は、現在戦っているリーグ戦でリベルタドーレスの出場権を得て、そして連覇を果たし、日本で行われる次回のクラブワールドカップで世界タイトルを手中に収めることだけである。
文●リカルド・セティオン
翻訳●利根川晶子
【著者プロフィール】
リカルド・セティオン(Ricardo SETYON)/ブラジル・サンパウロ出身のフリージャーナリスト。8か国語を操り、世界のサッカーの生の現場を取材して回る。FIFAの役員も長らく勤め、ジーコ、ドゥンガ、カフーなど元選手の知己も多い。現在はスポーツ運営学、心理学の教授としても大学で教鞭をとる。
この敗退に、パルメイラス・サポーター以外のブラジル人は「Palmeiras nao tem mundial」が新たに更新されたと、大喜びだ。現在SNS上では祭り状態で、様々な工夫を凝らしだ画像や動画が次々とアップされている。
「ブラジル最高のギャグを守ってくれてありがとう!ティグレス!」
「パルメイラスよ、どうか永遠に笑かしてくれ」
多くのブラジル人はパルメイラスに反感を抱いている。パルメイラスはブラジル一、いや中南米一の金持ちチームかもしれない。スタジアムはもっともモダンで、選手の給料も良く、ヨーロッパ人の監督にはユーロ建てで報酬を払っている。そんな恵まれた境遇にあるというのに、それに見合っただけの強さはなく、プレーもジョゴ・ボニートからかけ離れている。
こうしてパルメイラスは熱望していた世界一のタイトルばかりか、メンツも失ってしまった。
彼らがこの恥をそそぐ方法は、現在戦っているリーグ戦でリベルタドーレスの出場権を得て、そして連覇を果たし、日本で行われる次回のクラブワールドカップで世界タイトルを手中に収めることだけである。
文●リカルド・セティオン
翻訳●利根川晶子
【著者プロフィール】
リカルド・セティオン(Ricardo SETYON)/ブラジル・サンパウロ出身のフリージャーナリスト。8か国語を操り、世界のサッカーの生の現場を取材して回る。FIFAの役員も長らく勤め、ジーコ、ドゥンガ、カフーなど元選手の知己も多い。現在はスポーツ運営学、心理学の教授としても大学で教鞭をとる。