突然の発表に中国が騒然となったのは先月の28日だ。

　その美貌から「最も美しい少女」と呼ばれるほど人気を博す、上海緑地申花女子チーム所属のMFシャン・シーが、突然SNSで現役引退を宣言したのだ。

「シャン・シーはもう選手ではいたくない。普通の女の子になりたい。サッカーだけでなく、若さ、ロマンス、そして人生がある」

　物議を醸したのは、その発表をしたのが本人ではなく、父親だったからだ。中国のポータブルサイト『テンセント』によれば、インターネット上では批判の声もあがっていたという。

　U-15中国女子代表に選出された経験もある21歳の有望株が、なぜ急にスパイクを脱ぐ決断をしたのか。そもそも父親の発表は真実なのか――。中国の各メディアはこぞって選手本人の取材を開始。数日が経ち、“驚くべき真相”が明らかになってきた。

　２月２日にスポーツメディア『新浪体育』が伝えたところによると、シャン・シーは「少し誤解があった。父と事前に連絡を取っていなかったので、友人からの知らせで引退を知った」と語り、なんと本人の意思ではなかった事実を明かした。

【画像】「最も美しい少女」として話題のシャン・シーのユニホーム姿＆貴重な私服ショット
 

　ただ、現役大学生でもあるシャン・シーが今年の９月から上海体育大学の大学院に進むこと、また１月に目の手術を受けて当面は安静が必要なことから、このまま現役を続けるのが困難になる可能性があるようだ。本人はまだ引退をはっきり決断したわけではなかったが、そうした娘の事情を鑑み、父親が先走って宣言してしまったというのが真実だったようだ。

「美人選手」として注目を浴びるよりも、「普通の女の子でいて欲しい」という親心だったのかもしれない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部