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新連載|熊崎敬【蹴球日本を考える】「やってはいけないこと」をやってしまった浦和の敗北

カテゴリ:Jリーグ

熊崎敬

2015年03月05日

ブーイングに苦言を呈したペトロヴィッチ監督だが…。

熱心にサポートしているからこそ、ファンからはブーイングも出るのだろう。ペトロヴィッチ監督は苦言を呈したが……。 (C) Getty Images

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 試合後、埼玉スタジアムはブーイングに包まれた。無理もない。内容も結果も、何一つ良いものはなかったからだ。
 
 だが、試合後の記者会見でペトロヴィッチ監督は、こう苦言を呈した。
「10人になっても最後まで精一杯戦った選手たちに、ブーイングを浴びせるのは違うと思う。彼らはブーイングに値するプレーはしていない。怒りがあるなら、監督である私に向けるべきだ」
 
 この言葉を聞いて、私は情けなくなってしまった。
 何度期待を裏切っても、まだブーイングしてくれるサポーターがついている。このチームの監督や選手たちは、そのことを有り難く思うべきなのだ。
 
 この夜、埼スタに集った1万3527人は心底、浦和が好きなのだと思う。そうでなければ底冷えがする平日の夜、アクセスの悪い埼スタまで足を運んだりはしないだろう。
 そして彼らは一生懸命、チームを応援していた。それが裏切られたのだ。怒るのも当然だろう。愛情がない人、期待していない人は血相を変えて怒ったりしない。そもそも、そういう人はスタジアムには来ない。
 
 これはサッカーに限ったことではないが、観客席で怒っている人ほどチームの勝利に大喜びしてくれるものだ。彼らはチームが負けても負けてもお金を払い、期待に胸を膨らませてスタジアムに通う。これほど愛すべき人々はいない。浦和の財産だ。
 こういう人たちに向かって、ペトロヴィッチ監督は「ブーイングは違う」と言っているのだ。
 
 浦和レッズのプレーは課題だらけ。だが、プレーを見つめ直す以前に、しっかりと考えることがある。それは仕事としてサッカーをするということの意味だ。それがわからなければ、いつまでも同じことを繰り返すだろう。
 
取材・文:熊崎敬
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