「まるで昨シーズン終盤の試合を見ているようだった」と指揮官も嘆く。
「うーん……必ず修正できる失点なんですけどね」
右WBでフル出場したチーム最年長の平川は唇を噛み締めた。
浦和が“失点癖”に苦しんでいる。
【ゼロックス杯】PHOTOハイライト|G大阪 2-0 浦和
守備再建が最大の課題だった昨季、GK西川が新たに加わり、チーム全体として守備意識を高めたことで、リーグ戦の総失点は56から32へと大幅に減った。
しかしリーグ終盤、その保たれていたはずのバランスは狂い出していた。浦和が公式戦で無失点に抑えたのは、昨年11月3日の31節・横浜戦(1-0で勝利)まで遡る。
昨季終盤のリーグ3試合、そして今季のACL初陣の水原三星戦、この日のスーパーカップのG大阪戦と、いずれも失点を喫している。加えて、ニューイヤーカップ(磐田、清水戦)などプレシーズンの試合でも、必ず失点していたことに触れておかなければいけない。
守備の安定感を欠き、悪い循環に陥っていると言えるのだ。
もちろん、多くの新加入選手を抱える浦和にとって、このスーパーカップは貴重な「最終テスト」の場だったことは事実だ。
3日前、アウェーでACLの水原三星戦に臨み、1-2で逆転負け。週明けの3月4日には再びホームでACLのブリスベン・ロアー戦、7日にJリーグ開幕の湘南戦と必勝を期す試合が続く。
そのため、この日のG大阪戦は、誰もが「勝負にこだわっていた」(梅崎)のは間違いないものの、先発は水原三星戦から5人変更。前線3人はすべて入れ替わり、さらに柏木はボランチに入るなど、今後を見据えたいくつかのテストに充てられた。
攻撃面では、李、高木、梅崎、武藤と、決して満足のいくプレーを見せられなかった。ただし、怪我から順調に回復する興梠、この日は休養をとった石原、さらに柏木を本職のシャドーで起用する……など、メンバーを入れ替えれば内容がガラリと一変する余地は十分にある。もちろん前述の4人のパフォーマンスはやや気掛かりではあるものの、一概に悲観する必要はないかもしれない。
一方の守備陣は、GK西川、DF槙野、那須、森脇と、不動のレギュラーで固めながら、“またも”失点を許した。しかも、“またも”セットプレーとパスミスからである。
CKから那須らがパトリックに振り切られてヘッドで後方にそらされ、森脇が宇佐美につき切れず先制点を与えた。
そして“またも”ロスタイム、逆襲に転じようとした槙野のパスがカットされ、パトリックにねじ込まれた。
「まるで昨シーズン終盤の試合を見ているようだった」とペトロヴィッチ監督も嘆いた。
「抑えられた失点。決して流れのなかから崩されていなかった。だからこそセットプレーが左右する展開だった。ターゲットマン(この日のパトリック)をいかに抑えるか。『一発』は起こり得る。そこへ厳しく行くこと、集中力をより高めないと」
リベロの那須はそう悔やんだ。
もちろん、失点の全責任が守備陣にあるというわけではない。
右WBでフル出場したチーム最年長の平川は唇を噛み締めた。
浦和が“失点癖”に苦しんでいる。
【ゼロックス杯】PHOTOハイライト|G大阪 2-0 浦和
守備再建が最大の課題だった昨季、GK西川が新たに加わり、チーム全体として守備意識を高めたことで、リーグ戦の総失点は56から32へと大幅に減った。
しかしリーグ終盤、その保たれていたはずのバランスは狂い出していた。浦和が公式戦で無失点に抑えたのは、昨年11月3日の31節・横浜戦(1-0で勝利)まで遡る。
昨季終盤のリーグ3試合、そして今季のACL初陣の水原三星戦、この日のスーパーカップのG大阪戦と、いずれも失点を喫している。加えて、ニューイヤーカップ(磐田、清水戦)などプレシーズンの試合でも、必ず失点していたことに触れておかなければいけない。
守備の安定感を欠き、悪い循環に陥っていると言えるのだ。
もちろん、多くの新加入選手を抱える浦和にとって、このスーパーカップは貴重な「最終テスト」の場だったことは事実だ。
3日前、アウェーでACLの水原三星戦に臨み、1-2で逆転負け。週明けの3月4日には再びホームでACLのブリスベン・ロアー戦、7日にJリーグ開幕の湘南戦と必勝を期す試合が続く。
そのため、この日のG大阪戦は、誰もが「勝負にこだわっていた」(梅崎)のは間違いないものの、先発は水原三星戦から5人変更。前線3人はすべて入れ替わり、さらに柏木はボランチに入るなど、今後を見据えたいくつかのテストに充てられた。
攻撃面では、李、高木、梅崎、武藤と、決して満足のいくプレーを見せられなかった。ただし、怪我から順調に回復する興梠、この日は休養をとった石原、さらに柏木を本職のシャドーで起用する……など、メンバーを入れ替えれば内容がガラリと一変する余地は十分にある。もちろん前述の4人のパフォーマンスはやや気掛かりではあるものの、一概に悲観する必要はないかもしれない。
一方の守備陣は、GK西川、DF槙野、那須、森脇と、不動のレギュラーで固めながら、“またも”失点を許した。しかも、“またも”セットプレーとパスミスからである。
CKから那須らがパトリックに振り切られてヘッドで後方にそらされ、森脇が宇佐美につき切れず先制点を与えた。
そして“またも”ロスタイム、逆襲に転じようとした槙野のパスがカットされ、パトリックにねじ込まれた。
「まるで昨シーズン終盤の試合を見ているようだった」とペトロヴィッチ監督も嘆いた。
「抑えられた失点。決して流れのなかから崩されていなかった。だからこそセットプレーが左右する展開だった。ターゲットマン(この日のパトリック)をいかに抑えるか。『一発』は起こり得る。そこへ厳しく行くこと、集中力をより高めないと」
リベロの那須はそう悔やんだ。
もちろん、失点の全責任が守備陣にあるというわけではない。