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「ひとつの言葉が劇的にチームを変えた」愛弟子・中西哲生氏が明かす名将ヴェンゲルの“グランパス改革”/前編

カテゴリ:Jリーグ

江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)

2020年06月13日

「ストイコビッチは全てにおいて苛立っていた」

95年当時のエピソードを明かしてくれた元名古屋MFの中西氏。※写真はスクリーンショット

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――選手の知らないところで気を配っていたわけですね。

「ヴェンゲルの言葉を借りれば、『ビジブル』という見えてる部分だけでなく、『インビジブル』という見えてないところの過ごし方で個人の資質が問われる、と。ヴェンゲルの右腕としてボロ・プリモラツというヘッドコーチがいたんですが、ボロもそういうことをよく言ってましたね。『お前ら、見てないって思ってるかもしれないけど全部見てるぞ』みたいな感じで。

 非常に細かく選手たちの事を観察していて、誰と誰が仲が良いという事を気にしていた。そういう点も考えながらトレーニングの時にどういうメンバーを組むかとか、試合の時の組み合わせとかも気にしていたようですね。もちろん性格だけではないですが、ありとあらゆることを総合して決めてたんだなというのはよくわかりましたね」

――当時のチームのキャラは?

「真面目でしたよ。とはいえ、小倉(隆史)、岡山(哲也)、平野(孝)あたりは若いから元気でしたが、逆に浅野(哲也)さんや伊藤(裕二)さんはすごく落ち着いてました。あとは僕や飯島(寿久)、森山(泰行)、小川(誠一)らへんが中堅で、若手とのコミュニケーションをとる感じだったかな」

――ドラガン・ストイコビッチ選手はロッカールームでも王様だった?

「いや、そんなことは全く無いです。むしろギャーギャー言うタイプではなかったですね。特にヴェンゲルになってからは、彼自身のメンタルコントロールができているなと。僕は英語が話せるので、ストイコビッチとよくコミュニケーションをとっていたんですが、日本に来た当初は、全てにおいて苛立っていた感じでした。それが、ヴェンゲルが来てから劇的に変わったという感覚でしたね」
 
――ヴェンゲル監督はストイコビッチを特別扱いしなかった?

「逆に、みんなの前で謝れと言ったりしていましたね。レッドカードをもらって試合に出られなくなったりしていたんで。ストイコビッチも納得していました。このシーズン、最初の8試合で1度しか勝てなかったんですが、それもストイコビッチの退場が絡んだりしていたんですよ」

――その序盤の不調の原因は?

「試合の内容を見ると、明らかに今までとは違うという感覚はあったんですが、うまく嚙み合わずに、悪くはないのに結果がついてこなくて。時間も足りなかった。1月末に始動してたったの2か月ですからね。去年までのトラウマもあったし、その頃は自分たちの自信のなさが試合で出てた部分もあった」
 
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