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軍事的プロバガンダか? トルコ代表の「軍隊式敬礼」問題がグリエーズマンに飛び火する事態に【現地発】

カテゴリ:ワールド

結城麻里

2019年10月19日

選手たちの行為にサポーターも呼応

選手たちは試合後のサポーター挨拶でも敬礼をしてみせた。 (C) Getty Images

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 当日のスタッド・ド・フランスには予想通りトルコ・サポーターが大挙して詰めかけ、ほぼ半分がトルコ国旗やトルコ代表ユニホームの色で真っ赤に。独特のすさまじい音に包まれ、フランスにとっては、まるでアウェーのような様相を呈した。

 だが、トルコも極端な行動に出ればマイナスイメージになると判断したのだろう。危惧されていたフランス国歌「ラ・マルセイエーズ」への口笛はなく、トルコ国歌斉唱時も選手たちが敬礼をすることはなかった。

 フランス・サポーターはこれでひとまず安堵し、トルコ人がたてる大音響に「ラララララララ・シャンピオン・デュ・モンド(世界王者)」の歌で対抗した。ピッチ上では真っ当な激闘が繰り広げられ、スコアレスで迎えた76分、フランスが均衡を破る。

 だが、トルコがすぐに同点に追いついた、その瞬間だった。トルコの選手たちがついに揃って軍隊敬礼を敢行したのだ。トルコ・サポーターの多くも同じ動作で呼応。さらに1-1で試合が終了すると、「勝利も同然」とみなしたトルコの選手たちが再び敬礼ポーズをしてみせた。

 記者席のすぐ上にいた若いトルコ・サポーターの一群も、金属仕切り板をすさまじい音で叩き、軍隊敬礼をしながら狂乱した。そしてその映像は直ちにネットに流れ、”炎上”する事態となった。

 試合に大きな混乱はなかった。帰りの最寄り駅でもトルコ人たちが「その電車はパリ行じゃない、イスタンブール行きだあ!」とふざけて叫ぶなど、どちらかというとお祭りモードだった。

 問題は、繰り返された軍隊敬礼である。しかも、トルコ軍による爆撃でクルド市民に死傷者が出ているこのタイミングでだ。放置すれば、フットボールが政治や軍事プロパガンダの道具にされてしまう危険があるうえ、他の国に飛び火しかねない。

 このためフランスの権威ある全国紙『L’EQUIPE』は、この振る舞いに言及。ヴァンサン・デュリュック記者の筆は、けっして逃さなかった。軍隊敬礼が2回出たことを公正に綴っている一方、同日のテレビ中継局『M6』は、軍隊敬礼を2回とも映像で流さなかったため検閲疑惑を持たれ、必死で疑惑を否定する羽目になった。
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