• トップ
  • ニュース一覧
  • 軍事的プロバガンダか? トルコ代表の「軍隊式敬礼」問題がグリエーズマンに飛び火する事態に【現地発】

軍事的プロバガンダか? トルコ代表の「軍隊式敬礼」問題がグリエーズマンに飛び火する事態に【現地発】

カテゴリ:ワールド

結城麻里

2019年10月19日

政治とサッカーは別ものであるはずが…

フランス対トルコは試合前から緊張感の走る一戦となった。 (C) Getty Images

画像を見る

 レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領率いるトルコが、隣国シリアのクルド人地域を爆撃。国際社会の批判が相次いでいるなか、同国代表選手たちの軍隊式敬礼が物議を醸している。

 最初に衝撃が走ったのは10月11日。EURO2020予選のアルバニア戦(1-0)で、トルコ代表選手たちがゴール後に揃って軍隊式の敬礼し、ナショナリズムに熱狂したサポーターたちも同じ行為で応じたからだった。折しもトルコがシリア北西部のクルド人地域に軍事介入したばかりだっただけに、波紋が広がった。

 そのわずか3日後、トルコを迎え撃つことになっていた同じグループHのフランスは、警戒せざるを得なくなった。

 しかも、フランスのマクロン大統領は、トルコの突然のクルド地域爆撃を批判して撤退を要求していた。これにトルコ大統領が、「批判されるならトルコが拘束しているイスラム過激派テロリストをヨーロッパに放流する」という脅しで応じたため、緊張が一気に高まったのだ。

 加えて、このフランス対トルコ戦には、フランス在住トルコ人(多くはフランス国籍も持つ)だけでなく、ドイツなど周辺各国に散らばったトルコ人がこぞって応援に駆けつけることも判明。人々は2016年11月13日のスタッド・ド・フランス自爆テロの記憶を呼び覚まされ、不安に駆られることになった。

 こんな状況であったため、試合中止を訴える政治家もいた。大統領選に出馬し、「フランスを平和のワールドチャンピオンに」と訴えたことがある左翼の政治家は、「軍隊敬礼を見せられるようなら試合を中止すべき」と主張。ただ、安易に中止すれば、フットボールが戦争の犠牲になったとの印象を与える側面もある。かといって、火に油を注ぐような事態も避けねばならない。

 フランス・サッカー連盟のノエル・ルグラエット会長は、事前にトルコ・サッカー連盟と対話する道を選択し、「トラブルなしの試合成功」を確かめ合った。ディディエ・デシャン監督も、試合の2日前から、本来ならば「EURO出場を決める大事な試合」と言うところを「EURO出場が決定的になりうる試合」と表現するようになり、対外コミュニケーションに細心の注意を払った。

 そして、当日を迎える――。
【関連記事】
[EURO予選結果]6発圧勝のイングランドが予選突破に王手!英雄シェフチェンコ率いるウクライナがポルトガルを下して本大会へ!
「かなりイタい」ウクライナ代表DF、EURO本大会出場決定に大はしゃぎ! 美人インタビュアーも思わず…
「イングランドの過剰反応だ」EURO予選でファンの人種差別チャントが発覚したブルガリア、代表監督&GKは行為を否認
「可能ならノーとは言わない」S・ラモス、来夏にEUROと東京五輪のダブル出場!? 本人は「良いプラン」とやる気
「だから僕は確信した」久保建英はなぜバルサを蹴ってマドリーを選んだのか? スペイン紙のインタビューで明かす!

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ