政治とサッカーは別ものであるはずが…
レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領率いるトルコが、隣国シリアのクルド人地域を爆撃。国際社会の批判が相次いでいるなか、同国代表選手たちの軍隊式敬礼が物議を醸している。
最初に衝撃が走ったのは10月11日。EURO2020予選のアルバニア戦(1-0)で、トルコ代表選手たちがゴール後に揃って軍隊式の敬礼し、ナショナリズムに熱狂したサポーターたちも同じ行為で応じたからだった。折しもトルコがシリア北西部のクルド人地域に軍事介入したばかりだっただけに、波紋が広がった。
そのわずか3日後、トルコを迎え撃つことになっていた同じグループHのフランスは、警戒せざるを得なくなった。
しかも、フランスのマクロン大統領は、トルコの突然のクルド地域爆撃を批判して撤退を要求していた。これにトルコ大統領が、「批判されるならトルコが拘束しているイスラム過激派テロリストをヨーロッパに放流する」という脅しで応じたため、緊張が一気に高まったのだ。
最初に衝撃が走ったのは10月11日。EURO2020予選のアルバニア戦(1-0)で、トルコ代表選手たちがゴール後に揃って軍隊式の敬礼し、ナショナリズムに熱狂したサポーターたちも同じ行為で応じたからだった。折しもトルコがシリア北西部のクルド人地域に軍事介入したばかりだっただけに、波紋が広がった。
そのわずか3日後、トルコを迎え撃つことになっていた同じグループHのフランスは、警戒せざるを得なくなった。
しかも、フランスのマクロン大統領は、トルコの突然のクルド地域爆撃を批判して撤退を要求していた。これにトルコ大統領が、「批判されるならトルコが拘束しているイスラム過激派テロリストをヨーロッパに放流する」という脅しで応じたため、緊張が一気に高まったのだ。
加えて、このフランス対トルコ戦には、フランス在住トルコ人(多くはフランス国籍も持つ)だけでなく、ドイツなど周辺各国に散らばったトルコ人がこぞって応援に駆けつけることも判明。人々は2016年11月13日のスタッド・ド・フランス自爆テロの記憶を呼び覚まされ、不安に駆られることになった。
こんな状況であったため、試合中止を訴える政治家もいた。大統領選に出馬し、「フランスを平和のワールドチャンピオンに」と訴えたことがある左翼の政治家は、「軍隊敬礼を見せられるようなら試合を中止すべき」と主張。ただ、安易に中止すれば、フットボールが戦争の犠牲になったとの印象を与える側面もある。かといって、火に油を注ぐような事態も避けねばならない。
フランス・サッカー連盟のノエル・ルグラエット会長は、事前にトルコ・サッカー連盟と対話する道を選択し、「トラブルなしの試合成功」を確かめ合った。ディディエ・デシャン監督も、試合の2日前から、本来ならば「EURO出場を決める大事な試合」と言うところを「EURO出場が決定的になりうる試合」と表現するようになり、対外コミュニケーションに細心の注意を払った。
そして、当日を迎える――。