川崎を連覇に導いた攻撃ユニット「BIG4」。なかでも光った阿部浩之の働き

カテゴリ:Jリーグ

佐藤俊

2018年11月12日

ゴール数は昨シーズンより減ったが、貢献度はむしろ今シーズンのほうが高い

「サイドの選手なんで、走ってなんぼじゃないですか」という阿部は、体調管理も怠らなかった。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 もともと太りやすい体質なので食生活、体重と体脂肪率には気を付けていた。
 特に体脂肪率はハリルホジッチ元日本代表監督から「3パーセント落とせ」と指令が出て気にしていたせいか、今シーズンは最初から11パーセントを切る状態をキープ。脂質の多いものや油っぽいものを避け、遠征先に出る鳥唐揚など揚物は採らず、お菓子も食べない。体重は昨年70キロを越えた時もあったが、今季は「一番動ける」という68、69キロをしっかりと維持していた。
 
「サイドの選手なんで、走ってなんぼじゃないですか。毎試合少なくとも12キロ前後は走りたいですし、スプリントも15~20本は必要かなと。そのために持久力を含めていいコンディションが必要やし、その目安として体重と体脂肪率は気にしていました」
 
 食事や体重などをコントロールしているだけではない。
 当たり負けしないように筋力を維持しており、ガンバ大阪時代からの体幹トレーニングも継続している。今季はさらに背筋を鍛えた。走りの質や相手を抑える力に違いが出てくるからだ。
 
 一見するとちょっと丸いような身体つきだが、実は筋肉が凝縮されており、前後左右に激しく動くために必要なエネルギーが蓄えられている。そのおかげで阿部は90分、ガス欠することなく攻守に関わり、チームに貢献することができたのだ。
 プレー面では、今季も「ゴールへの欲求を抑えてプレーする」ことできた。
 昨年、10ゴールを挙げ、普通なら「より得点を」と思いがちだ。だが、すでに昨年の終盤からゴールへの欲求よりもチームの勝利の貢献のためにプレーをするように、自分をコントロールしてきたという。
 
「優勝せんかったら自分が結果出しても一緒やという考え方に至ったんです。優勝したら点を取れなくてもいいことはないですけど、点を取れなくても多少は自分の仕事を評価されるんで、そこは割り切りました」
 
 阿部の個人成績はセレッソ大阪戦まで、27試合・5得点。ゴール数は昨シーズンの半分だ。だが、ゴール以上に川崎の戦術的な役割をしっかりとこなし、むしろ貢献度は今年のほうが大きい。特に守備面だ。攻守の切り替え、攻撃から守備に移る際のスピードが非常に早くなり、ボールを奪い返すことが増えた。その結果、今シーズンは敵陣でボールを奪って決めたゴールはチーム全体で14点となり、昨年の7点に比べて2倍に増えている。
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